一方、喘息はヒューヒュー、ゼーゼーといった気道が狭くなったときに出る呼吸音(喘鳴:ぜんめい)が特徴的。“人によっては徐々に、あるいは突然に息苦しさが強まる”。
自然気胸は前触れがほとんどなく、“ある日突然、急に片側の胸が痛く、息苦しい“といった症状に見舞われる。「肩や背中が痛む」「深呼吸をすると胸が痛い」「突然、息が吸いづらくなる」「動いていなくても息苦しさが続く」などの症状が出ることもある。
ところで、自然気胸とはいったいどんな病気なのだろうか。
坪島医師は、「自然気胸は、なんらかの理由で肺の表面の一部に『ブラ(嚢胞)』と呼ばれる数ミリ~数センチの薄い袋ができ、それが破裂することで、肺から空気が漏れる病気」と説明する。
「発症のピークは23歳で、15歳ぐらいから増えてくるので学生さんが多く、試験期間中に発症する人もいます。精神的なストレスとの関係もよく指摘されますが、発症の詳しいメカニズムはまだよく解明されていません」
ブラは自然に消えることはないが、穴は閉じることがある。そうすれば空気は漏れなくなるし、漏れた空気自体も体に溶け込んで消えるため、しばらくすると息苦しさや痛みが治まる。そのため、“気のせいだろう”と放置し、知らない間に再発を繰り返しているケースもあるという。
自然気胸になりやすい人の特徴
自然気胸は若く(25歳以下)、やせ型の男性に多い。高身長の人が多いという記述もあるが、坪島医師によると、「平均より少し背が高めぐらい」という。加えて、喫煙は発症の原因となるそうだ。
また、圧倒的に男性に多いものの、女性も一定数発症する。坪島医師も「気胸で外来に来る患者さんの約1割は女性。決して珍しくない」と強調する。特に、「若く、やせ型で、長身」の女性に多いという。男性よりもやや年齢域が高く、27歳前後がピークになる。
原因については、自然気胸の発症に関与する遺伝子は明らかになっていないが、体質的に“病気のなりやすさ”は受け継がれていて、「家族歴がある人ほど発症リスクが高まる」と坪島医師も感じている。これは、「やせ型で、長身」といった体質を親から受け継ぐためだ。
先ほど自然気胸は繰り返すことがあるとお伝えしたが、坪島医師は「放置して重症化すると命にかかわることもある」と注意喚起する。



















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