「田舎」はなぜ「いなか」と読む? "文字を持たなかった"日本人が先進国・中国から取り入れた漢字の歴史

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「田舎」という漢字がなぜ「いなか」と読むかわかりますか?(写真:Hirotama / PIXTA)
大人になってから学ぶことが少ない漢字ですが、漢字を学び直すことで普段使っている何気ない日本語にも深みが出て理解できる世界が広がることがあります。
今回は、東京の名門進学校駒場東邦中学校・高等学校で国語を教えており「一度読んだら絶対に忘れない漢字の教科書」を上梓した小原広行氏に、田舎という言葉はなぜ「いなか」と読むのかについて解説していただきました。

「田舎」という漢字はなぜ「いなか」と読む?

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みなさんは、「田舎」という漢字がなぜ「いなか」と読むか、わかりますか?

「田」には「デン」や「た」という読みがありますが、「い」や「いな」と読むことはありませんよね。「舎」も「シャ」という読みはあるものの、「なか」や「か」と読むことはありません。

同じように、「梅雨」は「つゆ」と読みますが、梅に「つ」という読みはありませんし、「雨」にも「ゆ」という読みはありませんよね。「七夕」は「たなばた」ですが、「七」に「たな」、「夕」に「ばた」という読みはありません。

なぜ、本来の漢字一字にはない読み方が、熟語となった漢字に存在しているのでしょうか?

その理由をお話しするためには、そもそも漢字の成り立ちを説明しなければなりません。

実は日本には、もともと「文字」がなかったのではないか、といわれています。日本語としての話し言葉はありましたが、文字は存在しなかったのではないか、と。

それが、古代のある時期の日本人が、朝鮮半島を経由した隣の先進国・中国との交流を通じて、「漢字」という「文字」を知り、「これは便利だ」と感じた結果、自分たちの文字として活用しようとしたのではないかというのです。

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