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「固定資産税は600万」「今の住民はパチンコや医療・美容整形業界の社長ばかり」 日本一の高級住宅街《六麓荘》その知られざる住宅売買事情

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  • 加藤 慶 ライター、カメラマン
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反対に、「何でもいいから早く売ってほしい」という人も非常に珍しいが、いないわけではない。すでに空き家になっている物件だとなおさらだ。離婚や死別などで自宅への思い入れがなくなると、所有者は「処分」を急ぐ。

今は「SUUMO」に掲載の中古物件も

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そんなタイミングで競合する不動産業者のDMに、「六麓荘で不動産を探しているお客様がいらっしゃいます」との文言が書かれているのを見たとしたら……。その人の心は揺らぎ、このチラシを投函した競合業者に相談に行く場合もある。

専任契約の有効期限は最長で3ヵ月。更新するたびに新しい契約書の作成が必要だが、高額物件であるがゆえに、3ヵ月という短期間で売買が成立する可能性は低い。買いたい人がいないわけではないが、社会的に地位のある人物となるとなかなか巡り合わない。

「昔は、六麓荘といえば不動産屋でも情報開示をしなかった。住民の質の維持もあるので、一般の人には見せないようにしていたんです。ただ、バブルが崩壊して、その慣習がなくなった。一般のカネ持ちでも買えるようになった途端、不動産屋も土地の情報をどんどん公開するようになってしまった……。ネットに公開する物件まで出ている今は、もっとひどい状況とも言えます」(別の不動産業者)

ひと昔前と違い、「SUUMO」などのウェブサイトに掲載して新たな買い手を探す中古物件も出始めているので、特定の人だけが知る、特別な情報ではなくなってきた。「六麓荘の秩序を保とう」という倫理観は前提にあるとしても、新たな所有者を選ぶのもまた売り主の裁量次第となっている。

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