「固定資産税は600万」「今の住民はパチンコや医療・美容整形業界の社長ばかり」 日本一の高級住宅街《六麓荘》その知られざる住宅売買事情

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いずれも大金持ちのため、「税金が高すぎる」といった文句を言う人はそうそういないと思われるが、遺される家族にかかる相続税に頭を悩ませているのはたしかだ。

将来を見越して遺産相続に詳しい弁護士に相談し、いざというときのために準備している人も多い。

たとえば個人や法人の財産を受託者(信託銀行など)に移転させて、財産の名義を変える。受託者はその財産を管理・運用することで収益を上げていく。

だからこそ、節税対策に法人登記をして、建物を会社の持ち物にしている住民も増えた。法人登記の流れはある意味、仕方のないところではある。

500坪や1000坪を所有しても、六麓荘ではマンション建設ができないから、マンションオーナーになって家賃収入で暮らすこともできない。大豪邸になればなるほど、法人所有の流れが今後も増えるだろう。

六麓荘
六麓荘を歩いていると、とんでもないスケールの邸宅が出現する(撮影:加藤慶)

築3年だろうと容赦なく解体

六麓荘の邸宅は、終の棲家となるのが前提である。移り住む人たちにとって妥協はできない。

たとえば、築3年と新築のようなキレイな豪邸が建っていようと、その物件を買った新しい家主は取り壊した後に、新しい豪邸を建築したがる。1つの敷地だけで建てて壊して建てて壊してを繰り返し、10年の間に3人も家主が代わり、建築物が3回建ったケースもある。

住民の話によると、バブル期に買われた大豪邸で入れ替わりが激しい物件があるという。バブルが弾けると、家主は事業に行き詰まったせいか、銀行に家屋を差し押さえられた。

すると、銀行は“住民の質”までは審査しないため、高く買ってくれる人に優先的に売る。こうして売却が繰り返されていく。

「最近、急成長した会社の社長宅も、もともとは同じ敷地に母屋と離れがある、大きなお家でした。それを壊して造ったのが、ヨーロピアン調のリゾートホテルのような超豪華なお家。上物はよっぽど歴史のあるおウチやないと、潰すことが多いんです(笑)」(六麓荘町の住民)

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