「固定資産税は600万」「今の住民はパチンコや医療・美容整形業界の社長ばかり」 日本一の高級住宅街《六麓荘》その知られざる住宅売買事情
六麓荘に住むことは、人生の集大成といってもよい。この社長はもともと、六麓荘の南にある高級住宅街、岩園町に立派な豪邸を持っていた。会社が好調なのもあって、岩園の豪邸を売ってついに六麓荘に来たという。
いくら売却したとはいえ、自身の建てた家が解体されるのは快くないだろう。売り主の中には、買い主に「この家をぜひ、(解体せずに)使ってください」とお願いする人もいる。だが、別に「家を壊すべからず」という契約は結んでいない。
「家は物で、お金に換えた以上はそこで愛着を捨てないとダメです。中には、庭木すら切らないでほしいという売り主だっているんです。あの木は切っちゃ駄目だとか、この花壇はこうして育ててとか……」(同前)
愛着がありすぎて、売却寸前に契約破棄したケースもあったという。だったら、売りに出さなければよかったのに……。
最も高かった物件は「20億円超え」
六麓荘の物件を扱う不動産業者によると、「今まで取り扱った物件で一番高かったのは、20億円は軽く超えていた」という。
「六麓荘で一番高値がついたバブル期というのは、1988(昭和63)年から1992(平成4)年頃まで。坪単価で500万から700万円! 700万円といえば、駅前の一等地と同じくらいの値段で、短期間でしたが異常な値段でした。今、10億円の土地だったら、その3倍の値がつく計算。異常以外の何ものでもありませんでしたね(笑)」(芦屋市の不動産業者)
莫大な財産の持ち主は大豪邸を購入後、上物をすぐに解体する場合もある。更地にして土地だけをひとまず確保し、土地を寝かせている間に設計や材料の取り寄せなどに時間をかける。何年もかかってからようやく施工が始まり、基礎工事もまた大規模なものとなる。マンションを建設するかのような大掛かりな基礎工事で、完成した豪邸はまるで迎賓館のようになる。



















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