総重量4トン・荷物300個のW杯遠征、サッカー日本代表「用具係のレジェンド」が紡ぎあげた"究極のチーム力"の秘密

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山根威信
山根さんはキットマネージャー歴26年。これまでに5回ワールドカップに帯同し、日本代表を支えてきた(写真:筆者撮影)
来年6月に開幕するFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)北中米大会。8度目のW杯に臨む日本代表は、12月5日(日本時間6日)に行われた組み合わせ抽選会の結果、オランダ、チュニジア、欧州プレーオフBの勝者と対戦することが決まった。
そんな日本代表を裏方として支える1人が、キットマネージャーとしてユニフォームや練習着、ボールや練習器具などの準備や管理を担当する山根威信さんだ。山根さんは6月から放映された花王「アタックZERO」のCM「洗濯愛してる旅 ホペイロ篇」に出演したことでも話題になった(詳細は前編を参照)。
多くの人がCMで顔は知っているけれど、どんな人なのかはほとんど知られていない――。そんな山根さんの普段の仕事やこれまでの人生、そして日本代表に込める熱い思いを前後編にわたって紹介する。
前編:花王「アタックZERO」CM出演の"彼"は何者か? サッカー日本代表・W杯連続出場を支え続けた《裏方のプロ》キャリア26年の軌跡
(外部配信先ではハイパーリンクや画像がうまく表示されない場合があります。その際は東洋経済オンラインでご覧ください)

山根さんがそこまで「におい」にこだわるワケ

現在の活動拠点である千葉・幕張の高円宮記念JFA(日本サッカー協会)夢フィールドには、大型洗濯機3台と大型乾燥機5台が完備され、作業の効率化が図られた。とはいえ、洗濯は洗い方や洗剤の使い方次第で仕上がりの差が大きく出る。26年間この仕事に携わってきた“洗濯のプロ”は、そのあたりも徹底的に追求してきた。

「1999年から代表活動に帯同させてもらって洗濯を担当するようになりましたが、『やっぱりにおいが残るな』と感じるケースもありました。当時はコインランドリーで洗濯していたので、洗剤が自動投入されるんですけど、それだけでは落ち切らない。『においが気になってプレーがうまくできない』というのは絶対にダメだなと感じました」(山根さん)

代表選手たちは普段は何も言わないが、本当にイレギュラーなにおいを感じると「これちょっと臭いね」「においが強いよね」などと違和感を口にすることがある。とくにインナーや肌着に関しては、1人が言い出すと、2人、3人と「やっぱりにおう」と次々に声があがるケースもあるようだ。

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