北海道、青森、茨城、能登… 独自の活性化策で利用客を増やす地方空港

滑り出しは上々。初~3年目はANAから総額で1億3300万円の協力金を受け取った。逆に10年度は東日本大震災の影響で客足が落ち、目標未達に。ただし震災という特殊事情が考慮され、保証金支払いは免除された。9年目の今年は、現時点で61・4%。目標に若干未達だ。「4、5、6月に全力で巻き返す」と、石川県空港企画課の表正人課長は気を引き締める。

「掛け声だけでなく行動する」。能登空港の利用者を増やすために地元の老人会や婦人会も一致協力する。2カ月に1度集まり、利用者増に知恵を絞る。穴水町老人クラブ連合会の松田栄四郎会長は「東京スカイツリー見学ツアーなど、数多くの企画を作って、とにかく空港を利用してもらう」という。搭乗率が厳しいときは、各自が客集めに奔走する。

松田氏には苦い経験がある。第三セクターののと鉄道が01年に輪島-穴水間を廃止した際、反対はしたものの、具体的な行動を起こさなかった。「だから能登空港を維持するためには、声を上げるだけでなく、どんどん行動する」。

3月のある日、根室市、中標津町、羅臼町など中標津空港周辺の自治体職員たちが能登空港の視察に訪れた。中標津空港もほかの地方空港同様、利用客低迷に悩む。能登空港の取り組みについて説明を受けた中標津町の菅野三夫空港対策室長は、「びっくりした」と驚きを隠さない。「声を出すだけでなく行動が必要ということがよくわかった」。

能登空港の搭乗率保証は単なる知恵。地域ぐるみの具体的な行動が、地元の空港を活性化するのだ。
(週刊東洋経済2012年4月7日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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