【冬用ダウン】ノースフェイスVSワークマン「価格差8倍は商品思想の違い」両方試した正直な感想

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翌朝、ワークマンの断熱αに袖を通す。まず軽い。空気をまとうような着心地で、体が自由になる。電車を待つあいだ、北風が吹いても冷たさを感じない。むしろ、身体の内側からじんわり温まる。動いてもムレず、暖かいのに軽快――これが正直、一番驚いた。お尻まで隠れる丈が腰を守り、背中には“ぬくもりの壁”ができる。

ワークマン エックスシェルター断熱αプレミアムギガパフ
「エックスシェルター断熱αプレミアムギガパフダウンコート」ではダークグリーンとオレンジレッドも展開(ワークマン公式サイトより)

数週間着続けてみると、印象が変わった。軽量ゆえに“ヨレやすいのでは”と思っていたが、生地にはハリがあり、型崩れもしない。撥水性も高く、通勤時の小雨なら傘を差さずに歩けるほど。頻繁に着ても汚れが目立たず、家庭洗濯でも劣化が少ない。「一冬限りの防寒着」ではなく、次のシーズンも安心して着られる実用性がある。

データ通りの保温力の高さを実感

科学的な数値も体感を裏づける。clo値5.76(約3倍の保温力)というデータ通り、外気が5度を下回ると、背中と腰に“熱がとどまる感覚”が生まれる。

断熱αシートが、冷気の侵入を防ぐ“見えない壁”になっているのがわかる。特に朝の移動や屋外取材など、長時間静止しているときにも熱が逃げにくい。

ワークマン エックスシェルター断熱αプレミアムギガパフ
(筆者撮影)

改札を抜け、朝の人の流れに混ざる。ノースフェイスは「極地でも通用する防寒着」としての完成度が高い。一方で、街中ではその性能を持て余す場面もある。対してワークマンのダウンは、軽さと動きやすさが際立ち、日常の“通勤・外回り”といった現実的な環境にちょうどいい。

働く人々が立ち向かうのは、極地ではなく日常の寒さだ。その現場で本当に頼れるのは、“ブランド”ではなく“技術”かもしれない。

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