BossB:私が教える信州大学でも、やはり工学部の女子学生は1割程度しかいません。
別に理工系に進まなくてもいいし、性別関係なくみんなが自分の心に従って好きなことを学べばそれでいいのですが、最終的な数字を見ると「あれっ」と思いますよね。
日本の多くの女の子が、小さいときから社会の影響を受けることで、自分が何をしたいか、ということまで方向づけられているのでしょう。そんなことで人生が決められているなんて本当にもったいないし、かわいそうなことだと思います。
窪田:BossBさんは「田舎で育った」とおっしゃっていましたが、社会の影響を受けずにやりたいことをやれたのはどうしてですか? 性別による扱いの違いに気付くきっかけが何かあったのでしょうか。
お姫様よりも、パワーを持つ魔女になりたかった
BossB:もしかしたら、生まれ持った疑い深い性格があったのかもしれません。幼稚園の頃からです(笑)。ほかのインタビューでもよく話しているのですが、白雪姫の劇を見て納得できなかったのを覚えています。
なぜ女は白馬に跨った王子様を待つだけの、かわいい存在でなければならないのか。これも全然わかりませんでした。むしろ私はお姫様よりも魔女になりたいと思っていたぐらいです。そのほうが、自分の魔法のパワーでいろんなことができますから。
昭和の時代に女として育った私ですが、「しとやかに三歩下がって」とか「女は愛嬌が一番」とか、そういう価値観をまともに信じている大人たちが信じられませんでした。
窪田:BossBさんが宇宙や物理に邁進できたのも素晴らしいと思います。興味を持っていても、しっかり向き合うきっかけがないという人も多いと思うんです。私もその一人でしたが、今回のお話をきっかけに、教科書に書いてあることとはまた違う学びがあるんだなと感じました。
無味乾燥で難しい記述も、人生のさまざまな問題とつながると思えたら、取り組み方が変わったかもしれないし、物理ももっと楽しめたかもしれません。
BossB:教科書や学校の勉強は受験を前提とした内容なので、物理も非常に面白くないです。
窪田:苦労してでも学ぼうというモチベーションが持てればよかったのですが、そうはならなかったのが残念でした(笑)。



















