「NHKの特設サイトが次々消滅…」「復活の予定はなし」 "残してほしい"と署名も…いったい何が起こった?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

サイトを削除した理由について、NHK広報局は、弁護士ドットコムニュースの取材に次のように説明した。

「今回の放送法改正にともない、NHKはインターネットサービスの見直しを行いました。9月までは放送法、インターネット活用業務実施基準に基づいて運用していましたが、10月1日からは放送法、番組関連情報配信業務規程、NHK任意的配信業務実施基準などに基づいての運用になっています。新しいルールに基づいてNHKとしての編集判断をし、過去に掲載しているものも含めて、NHKのインターネットサービスを再構成しました」

削除されたサイトの数やタイトル名については「『19のいのちページ』のように、9月30日で公開を終了したものもあれば、NHK ONEの中に移設・統合したものもあり、単純に削除ということではない場合もあります。そのため、サイトとタイトルを単純にお示しすることは難しい状況です」という。

19のいのち
障害者施設殺傷事件で被害者の生きた証などを掲載したサイト「19のいのち」は、消えて見えなくなっている(アーカイブ閲覧サービス「Wayback Machine」より)

障害者施設殺傷事件やミャンマー内戦のコンテンツ

「19のいのち」は、2016年7月に神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺害された事件を扱ったサイトだ。事件では、施設で働いていた元職員による犯行が社会に衝撃を与えたが、亡くなった被害者の名前を警察が匿名で発表したことにも議論が巻き起こった。

元のサイトURLをもとにアーカイブ閲覧サイト「Wayback Machine」で調べたところ、「19のいのち」の先頭ページには、次のような文章が掲載されている。

<"残虐な事件を、思い出したくないけれど、忘れてほしくない" あるご遺族が語ってくださった言葉です。19人の方々を知る人たちが語ってくださった思い出のかけらを集めて、確かに生きてきた「19のいのち」の証しを、少しずつここに刻んでいきたいと思っています。>

サイトには、犠牲者19人の似顔絵、遺族が語る思い出、裁判の詳細、関係者へのインタビューなどが掲載されており、事件の経緯や事件が社会に与えた影響を簡単に知ることができる作りになっていた。

次ページサイトの存続を求め、1.7万人の署名が集まる
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事