港区と千代田区が同率1位!では、3位以下は…? 東京で《会社・団体役員》の比率が高い区を調べてみた
さらに、東急大井町線、田園都市線の沿線では、当時の玉川村長(豊田正治氏)の旗振りによって約1000ha(10㎢)という広い範囲で耕地整理※3が行われました(図4)。これにより、碁盤の目のように整った街区と生活インフラが整備され、戦後にかけて会社の役員や管理職などの転入が進んだのです。
同じく東京西側の近郊エリアでは、石神井池、善福寺池、井の頭池といった武蔵野台地の湧水池をのぞむ高台や、神田川と善福寺川に挟まれた永福町、浜田山(京王井の頭線)などに役員比率の高いエリアが見られます。
この地域は武蔵野台地の中央部に位置し、先ほどの東急沿線と同様に、近郊農村地帯としての歴史を持つエリアです。中でも、標高50m前後のところに地下水が湧き出る地点が点在し、地元の人たちの貴重な水源として利用されていました(図5)。同時に、鷹場や景勝地として知られるようなところもありました。
このような水と緑に恵まれた水源地は、戦後の都市開発の中でも公園や寺社として温存され、人々の憩いの場となっています。また、その周辺の土地も良質な住環境を持った高級住宅地として分譲された後、現在に至るまで乱開発されることなく美しい街並みを保っています。
ちなみに、こうした池や川のほとりではカワセミを見ることができ、双眼鏡やカメラを携えたバードウォッチャーを見かけることも多々あります。なぜ、武蔵野台地では、役員が集まる街とカワセミが集まる場所が重なるのか。そんな素朴な疑問をもっと深く掘り下げたくなります※4。
京阪神で「役員の多い街」は?
大阪では大阪メトロ谷町線と大阪環状線に囲まれた小高い丘の上や、住吉区の帝塚山で役員比率が高くなっています(図6)。



















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