「巨額の政府債務」「失われた30年」と言われながら…日本がいまだに《世界で有数の裕福な国》であるワケ。今後の日本が"選ぶべき道"とは

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しかし、この安全資産という地位は、日本経済にとって「諸刃の剣」でもあります。

世界的な危機の際に、国内の経済状況とは無関係に急激な円高が進むと、日本の輸出企業の競争力は大きく損なわれ、日本経済に深刻な打撃を与えるという、構造的なジレンマを抱えているのです。

借金大国アメリカと債権国日本の関係

日本の「世界最大規模の債権国」という立ち位置は、その最も重要な同盟国であるアメリカとの関係を考える時、より鮮明になります。アメリカは、世界最大の「債務国」であり、この2国の関係は、世界の金融システムの中心軸をなす、対照的でありながら、相互に依存し合う関係です。


アメリカ経済は、国内の消費や投資が、国内の生産を恒常的に上回ることで成り立っています。その差額、すなわち経常赤字は、海外からの資金流入によって賄われています。

これを可能にしているのが、米ドルが世界の基軸通貨であるという「法外な特権」です。世界中がドルを欲しがるため、アメリカは自国で印刷できる通貨で、世界中から安価に借金をすることができるのです。

その最大の貸し手の一つが、日本でした。

日本の国民や企業が生み出した巨額の貯蓄は、国内の投資だけでは吸収しきれず、その多くがアメリカ国債の購入などを通じて、アメリカへと還流してきました。つまり、日本の貯蓄が、アメリカの旺盛な消費と財政赤字を、長年にわたって支えてきたのです。

この「借り手のアメリカ」と「貸し手の日本」という共生関係は、長らく両国の利益となってきました。

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