「巨額の政府債務」「失われた30年」と言われながら…日本がいまだに《世界で有数の裕福な国》であるワケ。今後の日本が"選ぶべき道"とは

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この世界最大規模の債権国という地位こそが、日本の経済に衝撃を吸収するクッションの役割を果たし、外交の舞台裏で静かな影響力となる、「見えざる国力」の源泉なのです。

なぜ日本円は「安全資産」と言われるのか

世界経済が危機に瀕すると、決まって「有事の円買い」と呼ばれる現象が起きます。国際情勢が緊迫すると、世界中の投資家がリスクを避け、日本の円を買い求める動きです。

なぜ、日本円はこれほどまでに「安全資産」として、世界から信頼されているのでしょうか。

その最大の理由は、前項で述べた、日本が世界最大規模の対外純資産国であるという、揺るぎない事実にあります。世界中の投資家は、日本が国として対外的な借金を全て返済しても、なお余りあるほどの巨大な資産を海外に保有していることを知っています。そのため、日本という国家が財政的に破綻する(デフォルトする)リスクは、事実上皆無であると認識されているのです。

この絶対的な信認こそが、円の価値を支える礎となっています。

興味深いことに、「有事の円買い」を引き起こしている主役は、実は日本の投資家自身です。

日本の生命保険会社や年金基金といった機関投資家は、国民から預かった巨額の資金を、海外の株式や債券で運用しています。世界的な金融危機が起きると、彼らはリスクを避けるため、保有する海外資産を売却し、その代金であるドルなどの外貨を円に換えて、安全な自国へと資金を引き揚げます。

この動きが、円に対する巨大な買い圧力となり、円高を引き起こすのです。

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