「巨額の政府債務」「失われた30年」と言われながら…日本がいまだに《世界で有数の裕福な国》であるワケ。今後の日本が"選ぶべき道"とは

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ここでは、日本の持つ「見えざる資産」と、その足元で進行する「静かなる危機」という、2つの側面を解き明かし、この巨大な矛盾の中で、日本がどのような未来を選択すべきなのか、その根源的な問いに迫ります。

「お金持ち国家」という日本のもう1つの顔

巨額の政府債務という国内問題の陰に隠れがちですが、2025年現在、日本は紛れもなく世界で最も裕福な国です。この事実は、現代日本の経済的な安定性を理解する上で、最も重要な基盤となっています。

国家の真の対外的な豊かさを示すのは、政府、企業、そして個人が海外に持つ資産から、海外に対して負っている負債を差し引いた、「対外純資産」という指標です。

24年時点では、日本の対外純資産は533兆円を超え、23年まででは34年連続で世界第1位の座にいました。

この莫大な富は、一朝一夕に築かれたものではありません。

現在、日本の経常黒字を支える最大のエンジンは、「第1次所得収支」です。これは、過去に日本企業や個人が海外の工場や証券に投資した資産から得られる、配当金や利子といった収益を指します。

25年にはこの所得収支だけで36兆円を超える黒字が見込まれており、貿易収支の赤字を補って余りある規模になっています。

これは、日本が「モノを作って売る」ことで稼ぐ国から、「海外に保有する資産からの収益」で稼ぐ国へと、その経済構造を成熟させたことを明確に示しています。

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