ソフトバンク、国内携帯販売に点る「黄信号」 キャッシュバックの神通力も終焉か

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そもそもこの県では、「破格のキャッシュバックをしても、契約数が減っている」とドコモやKDDIの販売店は対抗策に出ていない。ある同業他社幹部は「キャッシュバックで逃げた以上に、戻ってくる客が多い」と余裕の表情だ。

10月下旬の週末には、秋葉原の家電量販店でドコモの携帯販売コーナーで「実質1円+1万ポイント」の文字が躍っていた。適用条件はいろいろあるようだが簡単に言うと、他社からドコモに乗り換えれば、iPhoneの端末代は実質1円で、かつ量販店のポイントカードに1万ポイント付与される(言うまでもなく1万ポイントで、その量販店で1万円分の買い物ができる)。

国内販売の伸び悩みは一時的なもの?

そのドコモの販売コーナーの左のほうに目をやると、それよりもすごい文字が躍っていた。「実質1円+2万ポイント」。他社からソフトバンクに乗り換えれば、ドコモの2倍の2万ポイントがもらえるというのだ。なぜそこまでするのかといえば、それは第1四半期、第2四半期と直近の国内携帯電話販売が伸び悩んでいるからにほかならないだろう。

好調な国内販売から得られる巨額のキャッシュを背景に海外で企業買収など旺盛な投資を行うビジネスモデルが、国内販売の不振で、弱くなりはしないだろうか。国内販売の伸び悩みは一時的なものなのか。

ソフトバンクの孫正義社長は11月4日の決算発表で「数字は追わない」と強調したがその真意はどこにあるのか。第3四半期(10~12月期)以降に真価が問われてくる。

山田 雄一郎 東洋経済 記者

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やまだ ゆういちろう / Yuichiro Yamada

1994年慶応大学大学院商学研究科(計量経済学分野)修了、同年入社。1996年から記者。自動車部品・トラック、証券、消費者金融・リース、オフィス家具・建材、地銀、電子制御・電線、パチンコ・パチスロ、重電・総合電機、陸運・海運、石油元売り、化学繊維、通信、SI、造船・重工を担当。『月刊金融ビジネス』『会社四季報』『週刊東洋経済』の各編集部を経験。業界担当とは別にインサイダー事件、日本将棋連盟の不祥事、引越社の不当労働行為、医学部受験不正、検察庁、ゴーンショックを取材・執筆。『週刊東洋経済』編集部では「郵政民営化」「徹底解明ライブドア」「徹底解剖村上ファンド」「シェールガス革命」「サプリメント」「鬱」「認知症」「MBO」「ローランド」「減損の謎、IFRSの不可思議」「日本郵政株上場」「東芝危機」「村上、再び。」「村上強制調査」「ニケシュ電撃辞任」「保険に騙されるな」「保険の罠」の特集を企画・執筆。『トリックスター 村上ファンド4444億円の闇』は同期である山田雄大記者との共著。

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