100年以上の歴史がある重要文化財の建物なのに…東京駅内の「名門ホテル」に海外客がピンとこない事情
言ってみればインバウンドのゲストの質を大きく左右する重要な役割を、委ねられているということ。だが、松永はそれを楽しんでいる。
「むしろ新しいやり方を自分なりに考えることができると思っています。上司が任せてくれるからこそ、自分の思うように動ける、と解釈しています」
そして海外で多くの関係者と会ってわかったことは、まだまだ日本は知られていない、東京ステーションホテルも知られていないということだ。だからこそ、興味を持ってくれる人がいると、うれしくなるという。
会いに行く価値、広がるつながり
松永に会ったこともないのに、何かで見て興味を持ったのか、オンラインで東京ステーションホテルを予約してくれたベルギーのエージェントの女性がいた。エージェントがわざわざ来てくれた、と松永は応対に出たのだが、意外にも残念なことになってしまった。
「ご挨拶して、内覧もご提案しましたが、このときは疲れていたのか、話も弾まず。それで、何かあったらメールします、と言われて」
半年後、松永はヨーロッパ出張の機会があり、ベルギーに寄ろうかと思っている、とそのエージェントの女性にメールを入れてみた。
「そうしたら、ものすごく喜んでくださって、ぜひ会いましょう、と。アントワープから少し離れたところにお住まいで、そこにぜひ来てほしいと言われたんです」
一緒にお昼ごはんを食べると、彼女は自分の街を丁寧に案内してくれた。そこには、よく一緒に仕事をしているというエージェントも呼んでおり、〝東京ステーションホテルは、とてもいいホテルだから〞と紹介してくれた。
「東京では残念な印象でしたが、実はとても評価してもらえていたことがわかって。さらに同じ旅行会社には、ジャパンスペシャリストの同僚がいる、とメールで紹介してくださって。時間があるなら会いに行きなさい、と。短い期間で3人のエージェントに会うことができました」



















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