現在、中山さんは外科医をしながら、もう一つの夢であった小説家になるという夢も叶えて日々作品を生み出しています。代表作である『泣くな研修医』シリーズはドラマ化もされ、10月には最新刊『最後の外科医 楽園からの救命依頼』も上梓しました。
外科医×小説家の現在地
「僕は受験を経て、性格が大きく2つ変わった気がします。1つ目は自分がどれほど恵まれているかをやっと自覚できたこと。自分は働かずに2年も浪人させてもらえましたし、地方に行ったから親から仕送りもしてもらっていました。
今は親を介護していますが、昔すねをかじった恩返しをしています。親だけでなく、自分の子どもにも、希望するなら2浪まではさせてあげたいなと思いますね。
2つ目は、陽気でからりとした楽天家だった性格に、2年間の陰鬱とした生活で陰が差し込まれたことです。誰にも悩みを相談できない孤独を抱えながら、横浜駅の喫煙所でボロボロ泣きながらタバコを吸っていたのを今でもそのあたりに行くと思い出します。
浪人時代が、自分の作品の文学性に翳り、根暗さといった要素を差し込んでくれたのは間違いありません。最新作は、友達の医者10人以上に色々知恵をもらいながら書いたスーパードクターの話です。『ブラックジャック』に現代的な視点とリアルさとヒューマンドラマをより盛り込みたいと思って書いた作品なので、よろしければお買い求めください」
現在、外科医をしながら小説家をしている「スーパードクター」の性格や文学性は確かに、苦しみ抜いた浪人の日々が培ったものなのだと思いました。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら