「横浜駅の喫煙所でボロボロ泣きながらタバコを…」"現役外科医の人気作家"中山祐次郎氏「受験全滅、親のすねかじった」浪人時代

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現在、中山さんは外科医をしながら、もう一つの夢であった小説家になるという夢も叶えて日々作品を生み出しています。代表作である『泣くな研修医』シリーズはドラマ化もされ、10月には最新刊『最後の外科医 楽園からの救命依頼』も上梓しました。

外科医×小説家の現在地

「僕は受験を経て、性格が大きく2つ変わった気がします。1つ目は自分がどれほど恵まれているかをやっと自覚できたこと。自分は働かずに2年も浪人させてもらえましたし、地方に行ったから親から仕送りもしてもらっていました。

今は親を介護していますが、昔すねをかじった恩返しをしています。親だけでなく、自分の子どもにも、希望するなら2浪まではさせてあげたいなと思いますね。

2つ目は、陽気でからりとした楽天家だった性格に、2年間の陰鬱とした生活で陰が差し込まれたことです。誰にも悩みを相談できない孤独を抱えながら、横浜駅の喫煙所でボロボロ泣きながらタバコを吸っていたのを今でもそのあたりに行くと思い出します。

浪人時代が、自分の作品の文学性に翳り、根暗さといった要素を差し込んでくれたのは間違いありません。最新作は、友達の医者10人以上に色々知恵をもらいながら書いたスーパードクターの話です。『ブラックジャック』に現代的な視点とリアルさとヒューマンドラマをより盛り込みたいと思って書いた作品なので、よろしければお買い求めください」

現在、外科医をしながら小説家をしている「スーパードクター」の性格や文学性は確かに、苦しみ抜いた浪人の日々が培ったものなのだと思いました。

45歳、手術執刀前の中山さん(写真:中山さん提供)
45歳、手術執刀前の中山さん(写真:中山さん提供)
教訓:浪人は性格や文学性に影響を与える
濱井 正吾 教育系ライター

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はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

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