国連気候会議から30年が経過、その間も化石燃料の消費量は増加し続けており地球温暖化対策は課題だらけ
世界初の年次気候変動対策の会議から30年。第30回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP30)に合わせて各国の首脳級がブラジル・ベレンに集まっているが、一方で地球温暖化対策の進捗状況を示すデータは、厳しい現実を突き付ける。
長年にわたる交渉や取り決めの締結、そして数々の首脳会談にもかかわらず、温室効果ガス排出量は最初の会合以来3分の1増加し、化石燃料の消費量は増加し続け、地球の気温は科学者が地球に壊滅的な被害をもたらすと指摘する閾値を超えようとしている。
「会議から一定の成果は生まれてきた。だが、地球上の生命を守るには十分ではない」と語るのは、パナマの気候変動特別代表、フアン・カルロス・モンテレー氏。同氏は主要な環境協定の簡素化・合理化を推し進めようとしている。
データの向こう側
この厳しい評価は、11月10日からベレンなどで開催されるCOP30を前に、根源的な問いを突きつける。地球温暖化対策の国際外交は失敗しているのか。それとも、データには表れない形で、会議は成果を上げてきたのか。
国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局のトップ、サイモン・スティール氏は、年次会合は「大きな前進」を生んだと強調する。一方で「気候災害があらゆる国を襲っている今、明らかにより多くの対策が、より迅速に講じられる必要がある」とも述べる。
1995年以降、世界の温室効果ガス排出は34%増。それ以前の30年間の64%増に比べれば増加ペースは鈍ったが、科学者によれば、気候の安定と両立しない軌道にとどまっている。
バイデン前米大統領の下で気候変動特使を務めたジョン・ケリー氏は、「この問題を解決する時間はまだある。約束したことを実行すれば、この戦いに勝つことはまだ可能だ。勇気を出して行動に移すだけだ」と述べた。
気候変動問題を扱う世界資源研究所は10月の報告書で、2035年までの温室効果ガス排出削減に関する各国政府の目標は、世界の気温上昇を産業革命以前と比較して1.5度以内に抑えるには依然として不十分だと指摘した。1.5度は、15年にパリで採択された画期的な気候変動協定(パリ協定)で世界各国政府が設定した目標値だ。

















