国連気候会議から30年が経過、その間も化石燃料の消費量は増加し続けており地球温暖化対策は課題だらけ

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それでも、再生可能エネルギーとEVの増加は、主として増え続けるエネルギー需要を相殺したに過ぎず、化石燃料の本格代替には至っていない。米国ではトランプ大統領が、気候変動を世界最大の「詐欺」と呼び、風力・太陽光やEV向けの補助金を削減。再エネ事業に新たな認可手続きを課してハードルを高め、掘削や採掘のための公有地の開放を拡大している。

米ホワイトハウスのロジャーズ報道官は「トランプ大統領は、他国を破滅させている漠然とした気候変動目標を追求するために、我が国の経済と国家安全保障を危険にさらすつもりはない」とロイターに語った。

成功と問題点

米国でのこうした逆風にもかかわらず、COPプロセスの最大の成果とも言われるパリ協定は持ちこたえてきた。トランプ氏の任期で米国が離脱した後も、である。

つまり各国は理論上、気候変動の最悪の事態を防ぐというコミットメントを維持している。ただし、約200カ国の全会一致を要するCOP交渉の合意方式には批判が出ている。

「われわれは書類、報告書に溺れている。命を何人救ったかではなく、書類が何ページあるかで評価される仕組みに溺れている」と、前出のモンテレー氏は語る。「体系的な改革が必要だ」

パリ会議で国連のUNFCCC事務局長を務めたクリスティアナ・フィゲレス氏は、COPは国際通貨基金(IMF)と同様の投票方式への移行を検討できると述べた。

一方でフィゲレス氏は、世界経済がクリーンエネルギー技術を採用するにつれ、政治的な駆け引きの重要性は低下しているとも述べた。

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