医師が教える「エビデンスのある風邪予防」――"手作り塩水鼻スプレー"で症状緩和、ビタミンCやD、ハチミツ、加湿器、瞑想なども徹底紹介
④乳酸菌・ビフィズス菌
乳酸菌やビフィズス菌といったプロバイオティクスは、風邪など呼吸器感染症の頻度や期間をわずかに減らす可能性が、研究で報告されています。ただし、エビデンスのレベルはあまり高くないので、まだ確定した効果があるとはいえない段階です。
⑤ハチミツ
ハチミツは子どもの夜間の咳を和らげることができ、市販のシロップと同様の効果を発揮することがあるとされます。咳で眠れない夜は、子どもにとっても親にとってもつらいものですが、ハチミツは安全で効果的な選択肢となります。
ただし、ボツリヌス菌のリスクがあるため、1歳未満の乳児には絶対に与えてはいけませんし、摂りすぎはカロリー過多になる場合もあります。
科学的根拠のある民間療法
■マインドフルネスの効果
科学的に検討された民間療法もいくつか存在します。
50歳以上を対象とした研究では、マインドフルネスを実践した成人は、対照群と比較して風邪を引く回数が少なく、より早く回復したそうです。瞑想やマインドフルネスは、ストレスを和らげる効果があり、このような効果をもたらしたと推定されます。
実際、科学的にも、ストレスホルモンであるコルチゾールは免疫機能を抑制することが知られており、マインドフルネスはこのホルモンのレベルを下げる効果があるといわれています。
ストレスの軽減と免疫機能の向上の間には科学的にも明確な関連があり、日々の生活の中で心の平静を保つことは、風邪の予防にも役立つといえるでしょう。
■マスクと加湿器の有用性
新型コロナパンデミックで一躍脚光を浴びた不織布マスクですが、使い捨てで清潔に保ち、隙間なく着けるなど、人混みの中で適切に着用すれば有用です。研究でも、マスクの着用と手洗いを組み合わせることで、呼吸器症状の発生率が大幅に低下することが報告されています。
湿度もまた重要な要素です。室内の湿度が40%を下回ると粘膜が乾燥し、ウイルスが付着しやすくなります。
鼻や喉の粘膜は体の第一の防衛機能であり、適切な湿度がなければ、その機能は著しく低下します。湿度を50%程度に保ち、ときどき窓を開けて新鮮な空気を取り入れるとよいでしょう。


















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