医師が教える「エビデンスのある風邪予防」――"手作り塩水鼻スプレー"で症状緩和、ビタミンCやD、ハチミツ、加湿器、瞑想なども徹底紹介

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いずれにせよ、これは低コストで低リスクのアプローチであり、覚えておく価値があります。ただし、水道水には、殺菌のために微量の塩素(カルキ)が含まれており、そのまま使うと鼻や喉の粘膜を刺激して炎症を起こしたり、雑菌や不純物が混じっている場合もあります。

感染や刺激のリスクを安全に防ぐために、必ず滅菌水か、煮沸した水を室温まで冷ましたものを使用するようにしましょう。

■ビタミンやミネラル、乳酸菌の効果は?

各種サプリメントも風邪予防として人気です。まずはバランスの取れた食事、十分な睡眠、適切な水分補給をすることが前提条件ですが、効果もあるといわれるものもあるので、そちらをご紹介しましょう。

①ビタミンC

まずはビタミンC。風邪を予防するという研究報告はありませんが、1万1000人以上を対象とした詳しい分析では、症状を約15%軽減できることが示されました。つまり、風邪を引いてしまったあとに、症状が少し楽になる程度は期待できるかもしれません。

一方で、激しい運動をしている方や、極度の身体的ストレス下にある人では、免疫機能の低下をビタミンCが補い、風邪に感染するリスクを半減させる可能性があるようです。

冬に摂っておきたいビタミン

②ビタミンD

ビタミンDは骨の健康だけでなく、免疫調節にも重要な役割を果たします。体内で活性化されたビタミンDは免疫細胞を刺激し、ウイルスや細菌に対する防御反応を高めます。

諸説ありますが、欠乏すると呼吸器感染症やインフルエンザの発症リスクが上昇する可能性も指摘されています。特に冬は日照不足で体内合成が減るため、サプリメントや食品からの補給を考えてもよいでしょう。

③亜鉛

最近の日本では魚介類の摂取不足も影響してか、亜鉛不足の方が非常に多いことがわかっています。亜鉛不足は免疫力にも影響するといわれているので、不足すると風邪をひきやすいかもしれません。気になる方は採血検査で調べてもらうといいでしょう。

また、亜鉛はトローチの形で服用すれば、風邪症状を1〜2日短縮する可能性があります。ただし、1日100mgを超えるような亜鉛の摂りすぎは、味覚障害や銅欠乏症のリスクがあるので、ご注意ください。

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