東大生「何も見ずに書く」勉強効率を最大化する"参考書使わない"驚きの勉強法とは
でも、僕はその質問にこう答えました。
「あえて、参考書も問題集も使わずに復習してみよう。白い紙を1枚用意して、古代から現代まで、とにかく覚えていることを順番に書き出していってみて。ローマ時代にはどんな出来事があったのか、中国の王朝はどんな順番で変わっていったのか、ヨーロッパはどんなふうに発展したのか、近代には何が起きたのか……。
2時間くらいあれば、穴だらけでも自分なりの“世界史年表”を作れるはずだよ。そして、その穴を埋めるように復習していこう。『この時代の中国史があやふやだった』『あの人名が出てこなかった』というふうにね」
この勉強法は、近年注目を集めている「アクティブリコール(Active Recall)」という学習法です。
何も見ずに思い出し、ノーヒントの状態でどこまで再現できるかを試す。実は、この「思い出そうとする行為」こそが、最も効果的な復習になるのです。
思い出すことが、最強の勉強になる
アクティブリコールの考え方は非常にシンプルです。
脳は「情報を入力する」よりも、「情報を出力する」ことで記憶を強化します。つまり、読む・見る・聞くといった“受け身の学習”よりも、思い出す・書く・話すといった“能動的な学習”のほうが、記憶が定着しやすいのです。
例えば同じ1時間を勉強に使うとしても、参考書を読むのと、白紙に知識を書き出すのとでは、脳の使い方がまったく違います。参考書を読むのは「情報を受け取る」作業ですが、白紙に書き出すのは「情報を引き出す」作業です。
この「引き出す」という行為には、非常に大きなエネルギーが必要です。思考の回路を総動員し、記憶の断片をつなぎ合わせ、再構築していく。まさに脳がフル回転している状態になります。
勉強というのは、この「負荷」のかかる状態をどれだけ作り出せるかが勝負です。
ヒントが多く、考えやすい勉強法は一見効率的に見えますが、実は脳にあまり負荷をかけていません。
例えば、参考書を読めば答えがすぐにわかります。問題集を解けば、選択肢やヒントがすでに用意されています。つまり、誰かがあらかじめ“思考の道筋”を作ってくれているのです。
一方で、白紙に何も見ずに書き出すアクティブリコールでは、その道筋が一切ありません。自分の中にある記憶と知識だけで再構築するしかない。だからこそ、頭が本当の意味で「働く」ことになります。


















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