ミス立命館"優勝"も芸能界オファーを「全部断った」 "涙が出るほどつらかったレッスン"乗り越え「ミスコンとミスオブミス2冠」に輝いた彼女の半生

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ミスオブミスでは、ミスキャンでは未経験だったLIVE配信審査があった。

「ミスキャン時代は、他のファイナリストの子たちとアドバイスし合ったりと『みんなで一緒に頑張る』みたいな雰囲気だったのですが、逆にミスオブミスはほとんど配信での審査だったので、かなり孤独で。配信も不慣れでしたし、ミスキャンとのギャップは大きかったですね」

ミスキャン時代とは違った“壁”にぶち当たった松田さんだったが、ミスキャンの運営陣が電話で相談に乗ってくれたり、ファイナリスト仲間が頻繁に遊びに連れ出してSNS用の写真を撮ってくれたりと協力してくれ、「1人じゃない」と思えたことで、活力につながったという。そうして試行錯誤しながらも最後まで走り切り、ミスオブミスでもグランプリを獲得した。

「力になってくれたみんなに少しは恩返しできたかな、と思うと嬉しかったです」

ミスオブミスのグランプリ受賞で立派なトロフィーも授与された(写真:松田さん提供)

芸能界に興味なし。むしろ「知られることが怖かった」

ミスキャンとミスオブミス。2つの大学ミスコンでグランプリを獲得したことで、松田さんの元には芸能事務所からのスカウトやテレビ出演のオファーが舞い込んできた。

それはすなわち、ミスコン出場者の多くが憧れるアナウンサーや芸能人になる道が見えてきたということでもある。

しかし、松田さんはそれらの誘いにいちべつもくれず、3回生になったタイミングで就職活動を始めた。

「そもそもミスキャンに出る前から、芸能界に興味はありませんでした。それに、ミスキャンに出て注目していただくようになって、自分がまったく知らない人から『あの人って、そうだよね?』みたいに自分の話をされることに、抵抗感を持つようになったんです。もちろん、私を知ってくださっていることはありがたいんですけど、それ以上に『なんか怖いな』と感じてしまって」

注目が集まるようになり、有名になることに対する弊害を実感したという(筆者撮影)

「ミスコングランプリ」という肩書は、昔も今も大きなインパクトがある。その肩書を得ることで、それまで何者でもなかった彼女たちは、ある種の「スター」のような扱いを受けることになる。

とはいえ、彼女たちが「1人の大学生」であることに変わりはないのだ。そして、一般的な大学生の感覚からすれば、「知らない人に指をさされる」ことを怖いと感じることは、なんらおかしなことではない。

もちろん、自分に注目が集まることに快感を覚える人もいるだろう。そういった人は芸能界に向いていると言える。その意味では、良くも悪くも松田さんには、その適性はなかったのだろう。

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