宿泊・移動・3食込みで「1泊2万円以下」も! ――クルーズ船「高級」→「身近な旅」へ多彩に進化中。移動そのものが旅になる「究極の楽旅」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

多くの人がクルーズ船について抱きがちな誤解の一つに、「船が大きいほど高い」というものもある。実際はその逆で、大型船(乗客2000〜5000人規模)は運営効率が高く、食材の大量調達やスケールメリットにより、1人あたりの料金を抑えられる。

船内に有料レストランやショップが多く、船会社の収益構造が分散しているのも理由の一つである。

ダイヤモンド・プリンセスのプールデッキ
大型船「ダイヤモンド・プリンセス」のプールデッキ(プレミアム)(撮影:Mike Louagie)

一方、小型船(100〜700人規模)は少人数に合わせた丁寧なサービスや上質な食事を提供するため、料金は1泊10万円前後のことが多い。

大型船は“街のような船”、小型船は“高級旅館のような船”と考えるとわかりやすいだろうか。つまり、クルーズもホテルと同じく、目的やライフスタイルに合わせて選べる時代になっているのだ。

クリスタル・セレニティ
クリスタル・セレニティ(ラグジュアリー船)の船体(撮影:Mike Louagie)

日本から乗船できる船が増えている

ジャパネットのテレビCMで一気に名前が知られた「MSCベリッシマ」(MSCクルーズが運航する大型客船)や、2013年から本格的に日本周遊を始めたプリンセス・クルーズの客船(2027年からは2隻体制)は、冬のシーズンを除いて通年で日本周辺を航行している。

MSCベリッシマのプロムナード
MSCベリッシマのプロムナードには、お店やレストランが並び、まるで街のよう(写真:筆者撮影)

さらに、春や秋には「日本を船でめぐりたい」という外国人旅行者を乗せた外国客船も増え続けており、寄港回数も年々伸びている。彼らは飛行機で来日し、東京港や横浜港から10日前後の日本周遊クルーズに参加する。かつては年2回だった日本周遊を3回、4回と増やす船会社もあり、日本はクルーズ業界でも注目のエリアとなっている。

もちろんこれらのクルーズにも空きがあれば日本人も乗船できるため、選択肢は着実に広がっている。

次ページクルーズ人口の回復が追い風に
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事