そよ風テラスのスタッフ、理恵さんは次のように語る。
「若い人は大きなスーパーに行きますね。でも、お年寄りはやっぱり商店街での買い物のほうが安心できるとおっしゃいます。お総菜を買うときも、お店の人と会話をしながら買いたい。そんなふうに、ちょっとした買い物は商店街で済ませる方が多いんです。だから、2〜3日姿を見かけないと“どうしたんだろう”って話題になるんです。
実際に、そうしたつながりがきっかけで、孤独死を免れたといった例もあります。スーパーではなかなかそうはいかないんですよね。そんな商店街のあたたかい雰囲気が恋しくて、都バスのシルバーパスを使って江戸川区や葛飾区、足立区あたりからもいらっしゃる方も多いんですよ」(理恵さん)
同じような話を墨田区京島の「キラキラ橘商店街」でも聞いた。ここも駅から少し離れた住宅街の中にある。家と商店が近いからこそ、このような濃密な人間関係が作られるのだろう。
まだまだ元気な中小規模の店舗
個人店が多く残っているのも、住宅街型商店街の特徴だと私は感じている。駅直結型の商店街は駅に近いため、家賃が高い。賃貸物件で営業するにはそこがネックだ。勢い、資本力のある大手の進出が促されることになる。一方、住宅街型商店街は駅近に比べると家賃が安い。中小規模の商店にも優しいというわけだ。
砂町銀座商店街にも、行列のできる人気の中小規模店が複数ある。「(有)増英かまぼこ店(江東区北砂4-24-5)」は、店先で持ち帰りのおでんを販売する。一日中行列の絶えない人気店だ。界隈を歩いた日はあいにく雨がふっていたが、やはり長い行列ができていた。
「やきとり竹沢商店(江東区北砂4-40-11)」も、負けないくらいの行列店だ。サイズの大きな焼き鳥が店先に並ぶ。増英かまぼこ店もそうだが、何度もテレビ番組で取材されているので、見たことがあるという方も少なくないだろう。


















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