「カネもかかる、技術もいる。でも…」 "超マニアック"博物館《国立民族学博物館》が、貴重な資料の「露出展示」にこだわる"超シンプルな理由"

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国立民族学博物館
独特な展示方法を採用している「国立民族学博物館」(写真:国立民族学博物館提供)
国立民族学博物館、通称、民博(みんぱく)。文化人類学と民族学をテーマにした世界最大級の博物館だ。研究者たちが世界中から集めてきた、生活や儀式で使う用具、民具、民族衣装を34万7000点!(※2025年3月31日現在)も所蔵し、うち1万2000点を本館展示(いわゆる常設展示)している。
と、言ってもいまいちピンと来ないかもしれない。が、たとえば、東京上野にある東京国立博物館の平常展(東博コレクション展)の展示数が3000点以上(所蔵や寄託の点数は12万点以上)と言えば、そのスケールをおわかりいただけるだろうか。
スケールだけではない。民博には全国に根強いファンがいる。きわめて通好みな博物館としても知られ、好奇心旺盛なマニアの心を捉えてやまない。
本稿は、『変わり者たちの秘密基地 国立民族学博物館』より一部抜粋・編集のうえ、お届けする。

「大量のブツ」を整理してすべて収蔵

殺虫処理を施された資料はいよいよ収蔵庫に配架される。収蔵庫を見せてもらえることになった。保存科学が専門の末森薫さんと一緒に案内してくださったのは、西澤昌樹さん。企画課標本資料係に勤務されている、民博の資料の生き字引きみたいな方だ。

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