「(断捨離の)見積もりで『どんな荷物がありますか?』と聞くと、モノ屋敷の住人は『冷蔵庫、洗濯機、ベッド、テレビ、あとは細々としたモノ』と言うことが多いです。しかし、この『細々としたモノ』の量で見積もり額が大きく変わってきますし、真っ先に減らすべきものでもあるんです」
二見氏は、「断捨離」をこう定義する。
「断捨離とはこの『細々としたモノ』をいかに減らすか、それがすべてなんです。大型の家具や家電はどの家にもあります。『細々としたモノ』の量によって、モノ屋敷か否かが決まっているんです」
その「細々としたモノ」から「いるもの」と「いらないもの」を分別する際のコツは、思い切りだという。
「新生活が始まったときは『モノが足りない』くらいでいいんです。『使うかも』くらいのモノはすべて捨ててしまう気概で『細々としたモノ』は捨てていったほうがいい」
「捨てるまでには勇気がいる」
作業開始から約5時間。モノで埋まっていた2階と3階のスペースから、次々と家財が運び出されていく。一部を残し、中学生時代のステレオも、阪神タイガースのタオルも、ほとんどが撤去されていく。その様子を、依頼主の男性は複雑な表情で見守っていた。
「モノがなくなっていく様子は、寂しいのは寂しいですよね。でも、どこかで踏ん切りをつけないと前に進めないのでね。モノを捨てるってすごい度胸がいることです。でも、一旦捨て出すと意外とスムーズにいけるものだと改めて思いました。捨てるまでには勇気がいるけど、捨て出したらポンポン捨てられる」
5時間前は少しうつむき加減だった男性の声は、明らかに晴れやかなトーンへと変わっていた。
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