「内部はカビだらけ」「暖房でカビ胞子が…」エアコン掃除は"今"すべき訳――家電ライターが教える業者クリーニング&セルフ掃除のコツ

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そして、それと同時に薄い金属板の表面は結露して、湿気を取り除きます。5℃といったら屋外ビアガーデンで飲むビールとほぼ同じ温度。ジョッキの表面には水滴がたくさん付き、1時間もするとテーブルはびしょ濡れになりますが、エアコンはこれと同じ理屈で除湿し、結露した水分は専用の雨どいを通じて屋外のホースから排出されるのです。

なんと真夏のジメジメした時期には、1時間に2リットルもの水が出ます。

結露するのは、金属板のミルフィーユだけではありません。エアコンの吹き出し口や奥のファン、風向きを変える羽根も冷やされ結露します。

部屋の空気を大量に吸い込んだエアコンの中には、カビ菌だけでなく、カビの栄養源となるホコリやフケ、皮脂や油煙も付着しています。冷房しているときは寒くて活動できないカビは、電源を切ったとたんに除湿した水分と栄養分、そして温かい室温で増殖。

最初は目に見えませんが、増殖して仲間を増やし始めると、1ミリほどの黒い斑点になり、目で見えるようになります。吹き出し口を懐中電灯で照らして覗いてみてください。黒いツブツブが見えたら、それはカビ菌の集合(コロニー)なのです。

カビの増殖を抑えるエアコン機能

カビが増殖するのに必要なのは水分、栄養、温度、酸素の4種類です。どれかが欠けるとカビは増殖できなくなるという理屈を使い、エアコンはカビを抑える機能を持っています。

・運転後に送風して水分を乾燥

運転を止めても1~2時間送風を続けるものがあります。これは除湿でびしょ濡れになったエアコンの内部を乾かし、カビの増殖を抑える機能です。エアコンの消し忘れと勘違いして、強制的に乾燥運転を止めてしまわないようご注意ください。

吹き出し口から冷気が出ていない、「内部乾燥中」の表示が出ている場合は、乾燥運転中なので、そのまま放置します。電気代は1~2円ほどしかかかりません。

・イオンを放出してカビ菌を撃退

一部のエアコンに搭載されているイオン発生機能。イオンによってカビ菌を抑制・死滅させる効果がありますので、ONにしておきましょう。

・フィルターを清掃してカビ菌や栄養分を除去

自動フィルター清掃機能もONにしておきます。フィルターにはカビ菌や栄養素となるホコリなどが付着するので、これらを取り除いてくれます。

自動清掃がない場合は、夏場は1週間に1回程度、フィルターに掃除機をかけるなどして自分で清掃しましょう(今年は夏が過ぎてしまいましたが、来年はぜひやってほしいです)。

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