〈歴史×医療〉本執筆の"歴女医" 《浪人=しんどい》の常識覆す「楽しい思い出しかない」医学部受験の浪人時代

✎ 1〜 ✎ 154 ✎ 155 ✎ 156 ✎ 157
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「補欠の枠が1個空いたとのことでした。当時の秋田大学医学部は2~3年に1人しか補欠合格が出なかったようです。すぐに秋田大学に行くことを決めました! 河合塾のお金は後日に返金されたのでご安心ください」

こうして馬渕さんは、1浪で秋田大学医学部に進学することが決まりました。

浪人しなかったら医学部に入れなかった

浪人生活を終えて秋田大学医学部に進学した馬渕さん。浪人してよかったことをお聞きすると「毎日楽しかった」、頑張れた理由は「夏休みに遊びすぎたため、焦ったから」と語ってくれました。

「私は浪人しなかったら医学部に入れなかったと思います。『浪人してよかった』と思えるのは結果論だと思います。でも本当に楽しかったんですよ。河合塾様々ですね。浪人中は友達と遊んでいましたし、いい思い出しかありません。あまりに夏休みに遊びすぎたから、冷たい風が吹いてきた時期に『やばい、2浪する!』と思って3カ月だけ心を入れ替えました。

この時、役に立ったのが2浪生の友人の、前年の浪人仲間だった慶應生がたくさんくれた参考書でした。もらった薄い参考書を毎日1冊ずつ完璧にしていきました。この時期は1日10時間以上は勉強したと思います」

秋田大学の医学部を留年することなく卒業した馬渕さんは、国家試験も一発合格。現在は内科医もしつつ、労働衛生コンサルタントの資格を取得したり、『戦国診察室2』など書籍の執筆もしたりされています。

浪人して変わったことは「ない」と語る馬渕さんですが、当時の楽しい思い出を胸に、日々を過ごしているようです。

「模試の時に雑談した後ろの席の人と仲良くなって、いろんな高校の友達と群れるようになったんですよ。親には申し訳ないですが、ゲームセンター、ボウリングにカラオケとかなり楽しんでいました。浪人生活が終わるときに卒業文集みたいなものをみんなで作るくらい仲良しでしたよ。

あ、二次試験後に皆で各地の土産を持ち寄った交換会もやりました。東大文1に受かった子のお母さんが、喜びのあまり河合塾卒業祝い(笑)に焼肉パーティーをしてくれたのですが、追加合格したタイミングで私ともう一人の追加合格仲間のために再度焼肉パーティーをしてくれました。どんだけ浪人生活を楽しんでいたのという感じですね。浪人時代のことを思い出すと、今でも幸せな気分になれます」

精神的につらく、トラウマになると思われがちな浪人の日々。その期間を全力で楽しみながら成績を上げた彼女からは、一度きりの人生を楽しく生きる心得を教えてもらうことができました。

教訓:「つらい」と思われがちな期間を楽しくできるのは自分次第
濱井 正吾 教育系ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はまい しょうご / Shogo Hamai

兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。「9浪はまい」のニックネームでTwitterやYoutube、テレビ出演などを行っている。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学し、卒業。 高校時代にいじめを受けたことから、いじめっ子を社会的に偉くなって見返したいと思い、在学中から仮面浪人として受験勉強を4年間続ける。大学卒業後、証券会社に契約社員として就職したが10日で自主退職、同月中に配置薬会社に再就職。昼は会社、夜は予備校という生活に。同社退職後は受験勉強に専念し、9浪で早稲田大学に一般受験で合格し、2018年に教育学部国語国文学科入学、2022年卒業。現在はカルペ・ディエム所属。

Facebook: https://www.facebook.com/shogo.hamai/
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事