「なんとかなる」は大丈夫じゃないからー「自分のために」見直したほうがいい「休息」の時間。どのくらい休息をとれれば"十分"なのか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
疲れて倒れ込む女性
「仕事のため、家族のために休まなきゃ…」ではなく、休息は「私のため」に取りましょう(画像:Peak River / PIXTA)
「仕事、家事、育児、介護に追われ、自分の時間がない」「しっかり寝ても、なぜか疲れがとれない気がする」「気がつけば、つい自分のことを後回しにしている」「理由もなくイライラしたり、涙が出たりすることがある」「これまでの自己啓発書や“頑張る”ことに疲れた」ーー。
多くの女性が抱える「燃え尽き(バーンアウト)」ですが、世界的ベストセラーになっている『BURNOUT: The Secret to Unlocking the Stress Cycle』の著者、エミリー・ナゴスキーさんとアメリア・ナゴスキーさんの姉妹は、「気力や根性の問題ではない。ストレスの原因そのものに対処しても、体の中に残る感情的な反応(ストレス反応)はなくならない」と指摘。燃え尽きから抜け出す方法について豊富な科学的エビデンスとともに解き明かします。
日本語版の『与えすぎてしまうあなたへ。もう無理… 崖っぷちから自分を救う処方箋』より一部を抜粋し、休息について考えます。

1日16時間働いていたソフィーの場合

ソフィーは、高収入の専門職に就いています。一日16時間、週6日は働くことを期待されているため、1年で燃え尽きる人が多い職場です。そのペースで働くのをやめる人は、失敗者だとみなされます。「持ちこたえられなかった」「弱かった」というわけです。

ソフィーはこの“ゲーム”を長い間、がんばってプレーしようとしてきました。でもうまくいかないとわかって、理由を知るために科学に目を向けました。

「見てください」彼女は研究論文の束を示して、上司に言いました。「勤務時間を少なくしたほうが、創造性、生産性、正確性があがるうえに、全般的にいい結果が出ています。本当です」

上司はそれを信じませんでした。そこで他にもいくつかのアプローチで、職場でのオーバーワークのカルチャーを変えようとしてみました。睡眠についてのTEDトーク(専門家による講演の一種)を、仲のいい同僚数人にシェアしました。人事部にかけあって睡眠の専門家を招き、睡眠とイノベーションの神経科学について話してもらいました。

次ページどのくらい休息をとれれば十分?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事