「なんとかなる」は大丈夫じゃないからー「自分のために」見直したほうがいい「休息」の時間。どのくらい休息をとれれば"十分"なのか?

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そしてその研究に基づいて自分自身の仕事の習慣を変え、創造性とエネルギーが上向くのを実感しました。ソフィーは職場のカルチャーを変えるのに成功しました、と言えたらよかったのですが、それは実現しませんでした。

代わりに、湧き起こった創造性とエネルギーを使って、自分のビジネスを立ち上げました。長時間働いてはいますが、体と脳が今日の仕事はおしまい、と言うと、彼女は耳を傾けます。

「20時間起きている医師に診てもらいたいと思わないし、1日に20時間以上の請求をしてくる弁護士を雇いたいとも思わないもの。疲れると、仕事がどんなに杜撰(ずさん)になるか、わかってるから。だから一日7時間以下しか寝てないエンジニアも、よくないはず。脳が休息しないと、きちんとした仕事はできない」

体と脳が必要としている休息の割合は42%

どのくらい休息をとれれば〝十分〞なのでしょう?

科学的には、42パーセントです。これが、あなたの体と脳が必要としている休息の割合です。24時間中、約10時間です。毎日でなくとも構いません。1週間平均、あるいは1カ月、あるいはもっとでも。

大きなプロジェクトを終えた途端に、ひどい風邪をひいて寝込んだことはありませんか? 休暇の初めの3日間、1日12時間から14時間眠りつづけたことは? 極度のストレスが長期間つづいた末に、文字通り病院送りになったことは?

ストレスは、免疫機能や消化機能、ホルモンなど、体内のあらゆるシステムや機能に影響を与える生理現象です。生物学では、このすべてのシステムや機能を維持するために、人生の42パーセントを休息に費やす必要があるのです。

以下は42パーセントの例です。

●睡眠時間は8時間。1時間程度の増減あり。

●20分から30分間の〝ストレス解消のための会話〞。パートナーか他の信頼していて、愛している人と。

●30分間の運動など。ひとりでも、人といっしょでも。はっきりとギアを入れ替え、感情を解放し、休息をとれる自由なマインドセットで。体を動かすことが〝休息〞にカウントされるのは、睡眠の質を高める、ストレス反応サイクルを完結させる、あなたの体をストレス状態から休息状態に移行するからでもあります。

●一日に30分、食べ物に注意を向けましょう。食事や買い物、料理、食べる時間を含みます。これも休息に含まれます。必要な栄養がとれますし、積極的休息でもあり、気分転換にもなります。

1日の過ごし方の例
(画像:『与えすぎてしまうあなたへ。もう無理… 崖っぷちから自分を救う処方箋』より)

30分の〝ワイルドカード〞の時間は、あなたが何を必要としているかによって変わります。

人によっては、気分を上向けるために、身体活動を増やすかもしれません。睡眠のための、準備時間にあてる人もいるでしょう。脳が覚醒した騒々しい状態から、睡眠のための静かな状態に移行するのに時間がかかるとわかっているためです。

また社会的な関わりを求めている人は、遊びの時間にするかもしれません。あるいは単に移動や着替えの時間となるかもしれません。あるいはデフォルト・モード・ネットワーク中、休息の準備時間としてぼんやりと意識をさまよわせるのもいいでしょう。

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