「なんとかなる」は大丈夫じゃないからー「自分のために」見直したほうがいい「休息」の時間。どのくらい休息をとれれば"十分"なのか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これはあくまで平均値であり、おわかりのように、一度に複数のことをするときもあります。もっと睡眠時間をとりたい人もいます。どれくらい睡眠時間を必要とするかは、約40パーセントが遺伝によると推定されるため、一卵性の双子でも傾向が違うこともあり得ます。

例えばエミリーは7時間半必要で、アメリアは9時間です。8時間しか眠れないと、辛いと感じます。運動好きな人は、身体的な活動時間を増やしたいと思うかもしれません。

食いしん坊であれば、食べ物にかける時間を増やすでしょう。外向的な人はできるだけ人と会うのに時間を使いたいかもしれません。人それぞれです。自分のニーズに合わせて調整してください。

なんとかなっても大丈夫じゃない

もし〝私はもっと少なくても、なんとかなる〞と思っているのなら、その通りです。〝なんとか〞はなります。休息の不足した脳と体を引きずって、人生を歩んでいくことはできます。

そして時期によっては、どうしても十分な休息がとれないときもあります。赤ちゃんが生まれたばかりのころはなかなか眠れません。年老いた犬と暮らしていると4時間おきに目が覚めます。学位を取得しながら3つの仕事を掛け持ちしている人は5時間睡眠でなんとかします。

でもあなたが健康を気遣う人なら、そうした生活を長くつづけることを勧めません。あなたを強くするのは〝休息”です。

与えすぎてしまうあなたへ。 もう無理… 崖っぷちから自分を救う処方箋
『与えすぎてしまうあなたへ。 もう無理… 崖っぷちから自分を救う処方箋』(主婦の友社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

睡眠や休息を優先すべきだという本や記事の大半は、十分な休息をとったほうが生産性があがる、と主張しています。確かに休息をとれれば生産性はあがりますし、それで上司を説得して柔軟な働き方を取り入れてもらえるのなら、すばらしいことです。

ただ私たちが休息をとれるのが大切だと思っているのは、そのほうが生産性があがるからというよりは、幸せになり、健康になり、不機嫌でなくなり、創造性が高まるからです。

休息が大切なのは、あなたが大切だからです。

あなたは生産性をあげるために存在しているのではありません。あなたがここにいるのは、あなたであるためです。〝より大きな何か〞に携わり、この世界を、自信と喜びをもって生きるためです。それには、休息が必要なのです。

エミリー・ナゴスキー 健康指導者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

エミリー・ナゴスキー / Emily Nagoski

ニューヨークタイムズ紙のベストセラー『私たちのセクシュアル・ウェルネス 女性の体・性・快楽のメカニズム(Come as You Are: The Surprising New Science That Will Transform Your Sex Life)』(高尾美穂監修、小澤身和子訳/日経ナショナル ジオグラフィック)の著者。インディアナ大学でカウンセリング学の修士号および健康行動学の博士号を取得している。

この著者の記事一覧はこちら
アメリア・ナゴスキー 音楽学博士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

アメリア・ナゴスキー / Amelia Nagoski

コネチカット大学で指揮の博士号(DMA)を取得。ウェスタン・ニューイングランド大学の助教授として、音楽学科のコーディネーターをつとめている。

“燃え尽き症候群予防の先へ:指揮者のための体現的ウェルネス(Beyond Burnout Prevention: Embodied Wellness for Conductors)”など、プロの音楽家を対象に、コミュニケーション科学や心理学の研究を応用した教育セッションを定期的に実施している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事