アコーディア・ゴルフ内紛の陰に、ライバル・PGMによる統合計画
今年1月に、民事再生法の適用を申請した太平洋クラブ。保有コースは17ながら、毎年秋に男子プロのトーナメント「三井住友VISA太平洋マスターズ」を開く御殿場コースを筆頭に、優良コースを数多く持つ名門だ。270億円ともいわれる入札価格で、太平洋のスポンサーとなったのがアコーディアだった。
太平洋の再生計画案の提出期限は6月30日。だが、6月28日の株主総会で経営陣が交代すれば、アコーディアが辞退し、スポンサー選定が再入札となる可能性がある。その場合、150億円前後の提示額で、2次入札前に辞退したとされるPGMにもチャンスが生まれる。これは神田社長が望む展開のはずだ。統合する(と神田社長が考える)アコーディアが高値で買うより、直接安値で買うに越したことはない。
2次入札以降まで残った米系の不動産ファンドエートス、日系のリゾートトラストなども再参戦してくる可能性がある。すでに一部では再入札をにらんだ動きが出ており、太平洋の争奪戦も混沌としてきた。
気になるのは、こうした争いがもっぱら金融の論理で動いている点。ゴルファーに対するメリットを訴えることができなければ、戦いに勝っても失うものは大きいはずだ。
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(金融ジャーナリスト:伊藤 歩 =週刊東洋経済2012年5月12日号)
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