アコーディア・ゴルフ内紛の陰に、ライバル・PGMによる統合計画
ゴルフ場経営最大手で経営権をめぐる争いが激化している。
「一部大株主から、社長によるコンプライアンス違反の疑惑が指摘された」。4月17日夕刻、東証1部上場のアコーディア・ゴルフの秋本一郎専務は緊急会見でこう述べた。
秋本専務は、同社の竹生道巨社長による会社経費の私的流用疑惑を株主から指摘されたことを公表。調査の実施を竹生社長に提案したところ、専務執行役以外すべての役職から解任されたと、時に涙を交えながら集まった記者に訴えた。また、疑惑解明のために、取締役会から完全に独立した第三者委員会による調査の必要性を強調した。
平和の子会社が口火
これに対してアコーディアは、同日夜に反撃。監査役会の調査に加え、3名の社外取締役による特別コンプライアンス委員会を設置し、調査は進行中であると表明。独断で記者会見を開いた秋本専務を非難する声明を出した。翌週の26日には、社外機関の支援を受けて調査を実施しており、5月初旬にも調査結果を公表するとリリースした。
同日夕方、今度はアコーディア・ゴルフ株主委員会なる団体が会見を開く。アコーディアのこれまでの対応に異議を唱え、6月28日の株主総会に向けて、秋本専務を含むアコーディアの現役幹部4名と、元最高裁判所判事の才口千晴弁護士など社外の4名、計8名を取締役候補とする株主提案を行うと公表した。
株主委員会の筆頭に名を連ねるのは、パチスロ機など遊技機を製造・販売するオリンピア。アコーディアの1・9%の株式を保有する第10位の大株主であり、竹生社長によるコンプライアンス違反を指摘し、調査を要請したのが同社だった。
オリンピアの親会社はパチンコメーカーの平和で、アコーディアのライバル会社でゴルフ場経営2位のPGMホールディングスの筆頭株主(80・48%)である。平和のオーナーの石原昌幸氏は、アコーディアの3%の株式を保有する第4位の大株主。株主委員会に石原氏は参加していないが、「ご賛同いただいている」(株主委員会の代理人の中川秀宣弁護士)。