大阪万博の展示品はこのあと、どこへ行くのか? 熱狂も冷めやらぬなか、パビリオンや設備の移設先が続々と決定、その背景
大阪ヘルスケアパビリオンといえば、もう1つ微細気泡で15分で身体を洗浄する「ミライ人間洗濯機」が大きな注目を集め、わずかな体験枠に多くの応募が殺到した。ミラバスブランドを展開する株式会社サイエンスが同パビリオンのために作った一点ものの展示だったが、万博期間中に多くの問い合わせがあり、量産化が決まったという。10月8日開催テレビ大阪主催の「LBSスペシャル EXPOビジネスフォーラム ~大阪・関西万博 未来へのレガシー~」に登壇した同社青山恭明取締役会長によれば、すでに大阪の道頓堀クリスタルホテル3や九州黒川温泉旅館の新施設などいくつか納品先も決まっているという(納品時期は未定)。同氏は、いずれは一般家庭や高齢者施設へも広めていきたい、と語っていた。
ほかにヨルダン館で展示されていたヨルダンの赤い砂は、万博期間中に誕生した国境を越えて砂でつながる出展地域間連合「サンド・アライアンス」でつながった鳥取県が引き取り「サンド・アライアンス」の交流継続のシンボルとして、夢みなとタワー(鳥取県境港市内)に「サンド・アライアンス交流記念エリア(仮称)」を設置し、そこに展示をするという。
またNTTパビリオンで展示されていたIOWNという次世代通信技術を体験できる展示は国内各地のNTTの営業拠点で法人向けに展開をする予定だ。
サウジアラビア館では、温暖化の影響でサンゴの骨格が透けてしまう白化現象への対策としてサンゴをCCP(炭酸カルシウム光重合)という素材で3Dプリントするアブドラ王立科学技術大学(KAUST)の科学者の研究を紹介していたが、この人工サンゴは10月下旬以降、琉球大学、関西大学、障害福祉サービス事業を行うサンクスラボ(那覇市)に引き渡され、沖縄や与論島(鹿児島県)近海に移植される予定だ。
ミャクミャクの絵が描かれたマンホールも再利用
また、万博会場ではそこかしこにミャクミャクの絵が描かれたマンホールが使われていて話題になっていたが、これらも吹田市の万博記念公園をはじめ今後、大阪市のさまざまな場所で使われるという。
また移設ではないがポルトガル館の天井から吊るされていた無数のロープやパキスタンの8億年前の岩塩、スーダン館の太鼓などの伝統工芸品やヨルダンの展示の一部はサッカーチームのセレッソ大阪が引き取り、今後、クラブのホームゲームや地域貢献活動で活用していく、という。
万博会場では各国の食文化を伝える飲食店も人気だったが、ドイツパビリオンのレストランが2026年夏頃、大阪難波に開業するほか、サウジアラビアを中心とした中東パビリオンの料理を提供し、2030年開催のリヤド万博への交流の窓口の役割も果たす新たなカフェ「arab breeze」もオープン予定で、Instagramにて情報を発信している。


















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