大阪万博の展示品はこのあと、どこへ行くのか? 熱狂も冷めやらぬなか、パビリオンや設備の移設先が続々と決定、その背景

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注目の万博跡地、第2期区域だが10月8日に行われたテレビ大阪主催のイベント「LBSスペシャル EXPOビジネスフォーラム ~大阪・関西万博 未来へのレガシー~」の中で大阪府の吉村洋文知事は「万博の理念や考え方を継承した『圧倒的な非日常空間』を持つ国際観光拠点となるよう計画」していることを明かした。

200m分の大屋根リングに加え、万博会場の中央にあった「静けさの森」も万博の理念を継承した街づくりで必須として残すことが決まっている。

現在、第2期区域についてはサーキット/ショッピングモール/ホテルにする案や5つのゾーンに分け商業・駅前ゲート、ライブエンタメ、ラグジュアリーリゾートにする案などが出ている(参考リンク)。2026年の春には理念を継承し、非日常空間を実現できる民間事業者の公募を行う、という。

なお、万博跡地には、これとは別に「大阪ヘルスケアパビリオン」の建物の一部が「レガシー」として残ることが決まっている(参考リンク)。大阪市は、建物の一部を「レガシー建物」として2062年まで活用することや、先端医療・ライフサイエンス分野の事業を少なくとも10年間継続することを条件に土地を売却方式で処分する予定で、すでに2社がマーケットサウンディング(事前対話)に参加し予防医療施設や国際医療拠点などの案を示しているという。現時点で具体的な応募企業名や提案内容は非公開だが、2026年前半の事業者選定が行われる模様だ。

テレビ大阪主催LBSスペシャル EXPOビジネスフォーラム ~大阪・関西万博 未来へのレガシー~」の様子
10月8日、万博会場で開催されたテレビ大阪主催「LBSスペシャル EXPOビジネスフォーラム ~大阪・関西万博 未来へのレガシー~」の様子(参考リンク)。関西経済連合会会長や関西経済同友会代表幹事、パナソニック取締役、オリックス執行役らが登壇した。大阪府の吉村洋文知事は万博跡地を「圧倒的な非日常空間」を持つ国際観光拠点にすることを強調した(筆者撮影)
夢洲まちづくり基本方針
夢洲まちづくり基本方針。万博会場のあった夢洲はこれから3つのフェーズで再開発が始まる。万博期間中は騒音に注意をして工事を控えていた第1期区域の統合型リゾート開発は現在2030年の完成を目指して本格的にインフラ工事が始まっている(大阪市公式サイトより)

一部パビリオンは淡路島、大阪に移設予定

元のパビリオンに近い形での移転が決まっているパビリオンもある。

パソナ社の民間パビリオン、「PASONA NATUREVERSE」は同社が本社機能の一部を移転している兵庫県淡路島に移設予定で、同館の目玉として大きな注目を集めたiPS細胞でつくった心臓なども展示が行われる予定だ。

同じ淡路島のパソナの拠点には真ん中に白い球体が浮かぶ直方体のオランダ館も移設予定だ。こちらの活用方法は未定となっている。

ルクセンブルクのパビリオンは大阪府の交野市に移設予定だ。着工時から再利用しやすいように建材をなるべく加工せずに使用することにして作られた同パビリオン、2024年1月からパビリオンや建材を引き取ってくれる自治体を探したところ同市がこれに応じた。2024年度で閉校する市立第一中学校の跡地に移築し子ども向けの施設として使うことを検討している。

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