「今後1~2年で500メガワットを開発したい」--日本アジアグループ山下会長
100%子会社の国際航業ホールディングスを通じて、欧州4カ国や国内の宮崎県などで太陽光発電の実績を積んできた日本アジアグループの山下哲生会長は5月2日までに東洋経済のインタビューに応じ、「日本でも太陽光発電が大きく普及するスタート地点に立てた。日本再生のきっかけになる」と述べた。
7月1日にスタートする再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度をめぐっては、経済産業省の調達価格等算定委員会が4月下旬、電源ごとの買い取り価格や買い取り期間の案を公表している。
同社グループでは、ドイツ、スペイン、チェコ、イタリアの欧州4カ国のほかに、宮崎県都農町と群馬県館林市で太陽光発電所を建設・運営した実績がある。今夏の全量買い取り制スタートに合わせ、すでに北海道と香川県坂出市で合計6カ所9メガワットの太陽光発電所の建設計画を公表している。
山下会長は「当社に現在、持ち込みがあるのは450カ所、1ギガワット相当。今後1~2年でこの半分くらいはものにしたい」と述べ、全量買い取り制度のもとでの太陽光発電事業の拡大に強い意欲を示した。主なやり取りは以下の通り。
--調達価格等算定委員会の委員長案をどのように評価しますか?
昨年5月に全国紙に「日本アジアグループからの緊急提言」と題する全面意見広告を出し、政府による1キロワット時40円、20年間の太陽光発電の全量買い取りを要望した。そのようにお願いしたことが今回受け入れられた。大変うれしい。これでやっと、日本でも太陽光発電が大きく普及するスタート地点に立てたのかな、と思う。
--欧州における太陽光発電の経験は、今回の制度設計にあたってどの程度反映されたのでしょうか。
今回の調達委員会や(国会の)経済産業委員会などでもわれわれの話を聞いてもらう機会があった。いま最後に残っている課題は、系統への接続の義務化の問題だろう。もともと、昨年3月11日の閣議決定では、接続しなくてもよい、という一文があり、それをどのように修正するかで悩んだ経緯があった。そこの部分が最後の砦だろう。たとえば、すぐ近くに接続ポイントがあるのに、10キロ先でつなげと言われると、コストが億円単位ではね上がる。
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