「今後1~2年で500メガワットを開発したい」--日本アジアグループ山下会長
いま風力発電の(稼動の)不安定さが強調され過ぎており、あちこちで(接続を)ノーと言われる状態が続いている。しかし、太陽光もどこかでノーと言われる時が来ると思う。接続の問題は最後の最後まで残り、かつセンシティブな問題。ただ、一方で系統が弱いことも間違いない。系統につなぐときは、事前協議の中で話し合いをしていくことは日本の良さかもしれない。
--再生可能エネルギーのうち、太陽光発電に力を入れる理由は?
それは一番身近だからだ。弊社はコミュニティと一緒に生きてきた。子会社の国際航業は、全国の1800自治体のうち、約半分の自治体とお付き合いしている。日本国内の未利用地は、農業の耕作放棄地など数多く存在する。当社グループが測量を通じて収集した情報から考えると、土地の有効利用という点では、太陽光発電が一番早いし、技術革新が一番効きやすいのではないか。
太陽光発電パネルの素材は、大量生産することでコストが下がる。宮崎で太陽光発電所を建設した時には、パネルのコストは全体の75%を占めていた。それが、中国のパネルメーカーの過剰生産などもあって、液晶パネルのように価格がどんどん下がっている。架台設置の規制緩和なども実現し、まだ残っている課題もあるが、この1年間、経済産業省には頑張っていただいた。やはり原発と津波があったからだと思う。日本再生のきっかけをいただいた。
--今後、太陽光発電所をどの程度展開する予定ですか?
以前、ソフトバンクの孫社長は3月の全量買取価格委員会で「200カ所くらい計画が持ちこまれているが、買い取り価格や期間が1キロワット時40円、20年だと、このうち採算が合うのは10カ所程度、だから最低でも42円、20年」と要望したと聞いている。でも、それは民間として努力が足りないのだろう。われわれファーストムーバーとして、欧州でも日本でも、一生懸命コストを下げる努力をしてきた。全面広告を出した当時、ドイツの買い取り価格は41.5円で、われわれは民間事業者として頑張るよ、というつもりでドイツより少し安い40円を主張した。40円がそのまま通るとは思っていなかった。
(今回の委員会案は)欧州と同じくらいのレベルで頑張ってくださったので、われわれも事業者として成り立つくらいのことはやっていきたいと思っている。東京証券取引所の一部上場企業の平均ROEは4・2%。今までやってきた事業のリターンがそれくらいだとすると、新しい事業を始めるのに、リスクプレミアムも考えると、6%くらい欲しい。欧州は7~8%。リスクプレミアムを考えると、企業として間尺に合うROEになってきたと思う。
当社に現在、持ち込みがあるのは450カ所、1ギガワット相当。今後1~2年でこの半分くらいはものにしたい。
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