高市早苗・自民党総裁が首相になっても、「『経済・財政政策』は必ず破綻する」と断言できる理由

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第2に、25年度予算歳出総額約115兆円のうち、国債費は28兆円であるが、もし、過去に日本政府が借金をしていなければ、この28兆円は自由に使えた、ということである。つまり、過去の借金のせいで、われわれは毎年30兆円程度を失っているのである。過去の人々が、財政支出、減税などによって利益を得た分、われわれは毎年30兆円失っているのである。

同様に、現在のわれわれが減税の恩恵を受ければ、将来の人々は、その分、お金を失い続けるのである。コロナの被害が欧米よりも圧倒的に少なかった日本で100兆円以上無駄遣いをしなければ、今、100兆円好きに使えたのである。それと同じだ。

科学技術予算が、現在少ないのは、過去に借金をしすぎて30兆円永久に利子を(および借金総額を発散させないために元本の一部を)払い続けなければいけないからであり、借金していなければ30兆円投資できたのである。そして、利子が最低水準でこのありさまだから、今後、利子が40兆円になることは確実である(その前に財政破綻するかもしれないが)。

財政出動をしても、日本経済が成長したことはない

第3に、これだけ過去の人々が一生懸命借金をして、財政支出を行ったのに、日本経済は30年間停滞したままである。つまり、財政出動しても、日本経済は成長したことはないのである。

「今年の財政出動だけは例外で、突然、日本経済が財政出動でテイクオフする」というのは、妄想以外の何物でもないし、誰も信じていない。高市氏支持の人々も、日本経済が財政支出、減税で成長する、と思って言うのではなく、俺たちが金(カネ)をもらっても、財政破綻はしないと言っているだけである。積極財政で経済が成長していると本気で思っている人は、実際には誰もいないのである。

こんなことは、今さら私が言うことでもない。積極財政出動をするたびに「円売り」「日本国債売り」が出て、世界の投資家たちは、日本破綻にベットしていくだろう。

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