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高市早苗・自民党総裁が首相になっても、「『経済・財政政策』は必ず破綻する」と断言できる理由

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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さらに、物価対策としてすら、逆効果だ。これは多くの識者が批判しているところだが、値上がりしているものに補助金を出すと、値上がりしているものへの支出は減らない。

だから、値上がりは止まらない。ガソリン車からEVへのシフトも進まない。ましてや環境に悪いディーゼルも減らない。電気代の節約のインセンティブもなくなる。代替エネルギーも省エネ技術へのイノベーションを阻害する。

補助金を通じての物価対策はインフレを加速させるだけ

第2に、要は、補助金だから、その分、必需品以外の支出にまわすお金が増え、需要が増加し、さらにインフレが加速する。コストプッシュ型のインフレからデマンドプル型のインフレにすると言っていて、まさにそのとおりになるのだが、「インフレプラスインフレ」でインフレが加速して、超インフレになるだけだ。それを抑えるために、金利を急激に引き上げざるを得ず、投資が抑制され、景気でさえ悪くなる。あらゆる意味で、逆効果の政策しか主張していない、ということだ。

積極財政も、もちろん最悪だ。それは財政破綻するからではなく、責任あろうがあるまいが(何に対してどういう責任を取るのか教えてほしいが)、いわゆるクラウディングアウトを起こす。

つまり、今は人手不足、リソース不足である。そこへ政府が無理して支出すれば、民間セクターは人手不足がさらに厳しくなり、部材もキーパーツも入手できなくなる。輸送も滞る。大阪・関西万博には人材を投入したから無事開催できたが、多くの公共工事、民間工事が止まった。関西の人件費や様々な部材、輸送費は上昇し、そもそも入手不可能になった。公共事業では、コストや工事期限が折り合わず、多くのプロジェクトが頓挫している。これが、経済全体で起きるのだ。

もし万博さえ成功すればいいのであれば、そうすればよい。だが、経済を長期的に発展させたいのであれば、重要なものからやっていく必要があり、政府の財政出動が民間のプロジェクトの邪魔をするのであれば、本末転倒、最悪である。

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