「結婚コスパ悪い説」の、残念すぎる"勘違い" 死ぬまで食いっぱぐれない、本当の「備え術」
若者の中には、この4つを「収入を得るための方法」として、そもそも理解していない人が多い。ほとんどの若者は、収入を得る方法は「労働」しかないと考えている。
たとえば先日、こんな記事が話題になった。
これを読んで、びっくりした。今の若者の多くは、結婚のコストパフォーマンスの「良さ」を理解できないのだ。それは、収入を得るための方法として、上に挙げた「家族からの援助」を考えられていないからである。
孫が100人いれば、死ぬまで食いっぱぐれない
家族というのは、何も血縁に限るわけではなく、ここでは大きく「社会とのつながり」と言い換えてもよい。社会とのつながりが大きければ、それだけ助けてもらえる可能性が高まる。子供が何人もいれば、そのうちの誰かが助けてくれる可能性は大きい。あるいは、子供が何人もいれば、孫だって何人もできる。社会とのつながりは指数関数的に増えていく。
極端な話、孫が100人いて、そのうちの多くの強いつながりを保っていれば、死ぬまで食いっぱぐれはないだろう。その意味で、結婚はむしろ「コスパサイコー!」なのである(ちなみに「コスパサイコー!」とは、頭の悪そうな若者が言いがちの言葉ということで、ぼくの中ではやっている言葉である)。
「おカネ」というのは、労働、資産、家族の援助、社会保障という4つのうちの、「資産」に分類される。そして「資産」には、大きく分けて「お金、不動産、証券、その他」の4つがあるから、おカネはそのうちの4分の1にすぎない。つまり、収入を得るための方法全体でいえば、4分の1の中の4分の1で、16分の1の価値しかないのだ。
確かにおカネは目に見えやすいし、とても使いやすい。しかしながら、その16分の1に集中してしまうと、他の16分の15が疎かになって、老後の困窮は免れない。もし真剣に老後に備えるとしたら、おカネ以外の16分の15について、もっと真剣に考えるべきなのだ。
そろそろ紙幅がつきてきたから、ここからは簡単に記したい。老後に備えるためには、上記の「労働、資産、家族の援助、社会保障」の4つについて、それぞれ考えることだ。
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