57歳「夢追い早期退職夫」と離婚できますか? 「余生を楽しみたい」という夫の主張は通るか
「夫が突然、役者になりたいと言って退職してしまった」。定年間際に自分の人生を問い直す人は多いが、30年勤めた会社を定年前に辞め、57歳から俳優を目指すという人は珍しいだろう。そんな気ままな夫にあきれ果てた妻が、弁護士ドットコムの法律相談コーナーで悩みを打ち明けてた。
妻の投稿によると、夫は「全てのローンを支払い、子どもも成人し定職についたから親の役目は終わった。余生を楽しみたい」と主張して、週に1度、俳優養成学校に通う傍ら、アルバイト、パチンコ、お酒三昧といった学生のような生活を送っているという。
妻は、お金に余裕がない中で、一切相談もなく会社を辞めた夫についていけず、離婚を考え始めたようだ。父親にあきれている子どもたちも、両親の離婚には反対していない。
夢が叶うかは、誰にも判断できないが……
この相談のように、夫が家族に相談もなく退職し、自分の夢を追っていることを理由にして、離婚できるのだろうか? 小澤和彦弁護士に聞いた。
「夫が将来を真剣に考えているか否か、本当に役者になれるのか否か。そういった点については、正直なところ、誰にも判断できません。
晩年になってから、役者として成功を収めている人もいないわけではありません。『夫の考えが誤っている』というだけでは、離婚理由になるとは言えないのです」
しかし、妻にしてみれば、いきなり会社を退職してしまった夫との今後の生活について、不安を覚えても仕方ないのではないか。