東大に推薦で入学!「入試でAI利用」が当たり前の令和に合否分けるわずかな差とは

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかしこの一貫性を言語化するのにはかなり時間もかかりますし、技術がいります。そこで、最近では、この志望理由書の作成に生成AI(ChatGPTなど)を活用する受験生が増えています。東京大学の推薦合格者を対象に実施したアンケートによると、次のような結果が得られました。

かなり使った:25.7%
参考にする程度で使った:49.5%
使っていない:24.3%

つまり、約4人に3人が生成AIを利用していることが分かります。

興味深いのは、「かなり使った」と回答した割合よりも「参考程度」が多かった点です。実際、志望理由書の完成をAIに任せるのではなく、「自分の考えを整理するため」「表現をブラッシュアップするため」に使うケースが主流のようです。

専門家が語る「AIとの正しい距離感」

推薦入試専門家である孫辰洋さんは、この傾向について次のように話します。

「ChatGPTを多用して志望理由書を書く受験生は多いが、多用しすぎる受験生も、全く使わない受験生も、どちらも不合格になりやすいと感じる。

そもそもの前提として、多くの学生が志望理由書を高校3年生になってから考える。そしてその過程で、“実績を作ろう”と慌てて活動を始めたり、塾の志望理由書講座を受講したりする。が、このような形だけの、慌てての準備は全くと言っていいほど意味がない場合が多い。

なぜなら、高3の数カ月でできることなど高が知れているから。高1・高2から地道に活動実績を積み重ねていないと、どんなにAIで形を整えても中身が伴わない“ハリボテの志望理由書”になってしまう。

だが一方で、このような高1・高2の積み重ねがあった上で、それを整理するためにはChatGPTを使うことはかなり有効な手段となる。むしろ、これを使っていないと不利になる、と言ってもいい。大学から認められるクオリティの高い志望理由書を作るのに、生成AIの言語化能力や添削の使い勝手の良さは目を見張るものがある。0から志望理由書を作る時に多用するのは良くないが、8割完成した志望理由書を10割に仕上げるために使うのが理想だと思う」

次ページ自分の思考とAIの出力をいかに融合させるか
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事