「やっぱ日本に帰る…」教育移住で「うまくいかない親」の共通点「子どものことだけを考える親」の誤算とは?

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クアラルンプール国際空港
旅行先として短期滞在するのと生活するのは全く別物である(写真:マレーシアの玄関口、クアラルンプール国際空港。筆者撮影)
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みずもと氏は2022年に家族でマレーシアに移住。2人の子どもはインターナショナルスクール(インター校)に通い始めて3年目を迎える。
世界のインター校市場の調査機関ISC Researchの調査によると、マレーシア国内のインター校で学ぶ生徒の数は右肩上がりで推移しており、マレーシアを教育移住先として選ぶ日本のご家族も少なくない。
そのうえで、教育移住についてはポジティブな側面が大きく取り上げられたり、個人の体験ベースの発信が多くなる等、実態が見えづらい点がある。
今回の記事では、筆者の経験や周囲の教育移住者の声から、海外移住がうまくいかないケースについてリアルな現状をお届けする。

教育移住したけど「帰国を選ぶ人」の共通点は?

筆者がマレーシアに移住した2022年から現在まで、日本人の教育移住者は肌感としても倍以上に増えています。

マレーシア教育移住・留学エージェント「GLOBRIDGE」代表の藤井佐和氏は「日本経済の低迷や円安、給与水準の伸び悩みなど将来への不安も相まって、居住地を問わない働き方を模索するご家庭が増え、海外教育への関心が高まっているように感じます」と分析します。

「これまで“富裕層だけの選択肢”と捉えられていた海外教育移住ですが、インフルエンサーのSNS投稿や、身近にマレーシアへ教育移住した友人がいるなど、より身近に感じる機会が増え、『我が家でも実現できるかもしれない』と、現実味を帯びるようになったのかもしれません」(前出の藤井氏)

その分析は腑に落ちるところが多く、心理的なハードルが低く教育移住に挑戦できるのがマレーシアの良いところなのでしょう。

一方で、教育移住の「華やかな面」だけが独り歩きし、実態をよく知らないまま渡馬して「こんなはずではなかった」と早期帰国を決めるご家族も一定数いらっしゃいます。

「子どもが現地の学校・生活に馴染めなかった」「進路選択を考えた時日本のほうが有利」等、子どもに起因する帰国理由と並んでよく耳にするのが「親が現地の生活に馴染めなかった」というもの。

「日本に戻りたい」と帰国を選ぶ親御さんにはどんな共通点があるのでしょうか。

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