やりたい仕事は絶対に出会えない? Z世代と上司のモヤモヤを解く「やりがい探し」からの脱却法

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社会人1年目の社会学
乱暴に言えば、世の中の仕事のほとんどは、「ブルシット・ジョブ」なのです(写真:topic_kong/PIXTA)
「なぜ、1分でも遅刻をすると怒られるのか?」――この質問に、あなたはどう答えますか?
「社会人たるもの遅刻しないなんて当たり前」「ダメなものはダメ!」。こうした答えは、答えになっているようでなっていません。精神論ではなく、論理的に説明するとなると、案外、難しいかもしれません。
春に社会に出た1年目の人は、半年が過ぎて現実の壁に直面するころ。内定式を終えた学生は、期待と裏腹、社会の理不尽を意識し始めています。他方、Z世代を部下にもつ上司は、若手社員との価値観の違いに戸惑っているでしょう。
「社会学」の概念を使って補助線を引くと、職場でのモヤモヤすることや理不尽なことや、キャリアの悩みも少し楽に考えることができるようになります。10年以上のサラリーマン経験をもつ社会学者・鈴木洋仁氏の新刊『社会人1年目の社会学』をもとに、2回にわたって解説します(今回は2回目)。

なぜ無意味な仕事が多いのか

新人くん:「結局、どんな仕事もくだらなくね? いつまでも雑用ってか、調整とか根回しばっかじゃん」

先生:「最近だと『ブルシット・ジョブ』ってことばが、世界中で流行したぐらい。全人類が思っているかもしれないね」

「ブルシット」とは、bull=牛の、shit=糞、ですが、アメリカ英語では「でたらめ」を意味します。口語でしか使われませんし、映画やドラマの字幕だと「ふざけんな」と訳されます。

そんな表現を、アメリカの人類学者デビッド・グレーバーはあえてジョブ=仕事と結びつけました。そう名付けた背景には、あなたが仕事をくだらないと思う理由があります。

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