「大変でしたね」「そうなんです」で会話終了…。どうすれば会話は弾むのか? 沈黙が怖かった元日経記者が実践していた「話を聞く3ステップ」
こんな場面を想像してみてください。
【悪い例(職場での会話:同情しすぎて話が広がらない)】
「病気で長く仕事を休んでしまい、大変でした」
「それはつらかったですね」
「はい……」
*話がそこで終わってしまう。
ここで「つらかったですね」と言うだけでは、相手の気持ちには寄り添えても、話が深まらず終わってしまいます。
【よい例(職場での会話:同調しながら話を引き出す)】
「病気で長く仕事を休んでしまい、大変でした」
「大変な時期を過ごされたんですね。その間、ご家族の支えも大きかったのではないですか?」
「そうなんです。部署が変わって給料が減っても、妻は愚痴を言いませんでした。息子も……」
相手の気持ちに寄り添いながら、少し先の話を促すように問いかけると、相手がより詳しく話してくれます。
特に、相手が「実は……」と切り出したときは、話の背景を知ることができる、逃してはいけないポイントです。
同調しすぎは次の質問を遮る
相手の話に同調することはとても大切です。しかし、同調しすぎるあまり次にどんな質問をすればよいのかわからなくなってしまう。そんな経験を持つ人もいるはず。
「確かに」「なるほど」と相づちを打つことで、相手は安心して話しやすくなりますが、感情移入しすぎると、冷静に話を進めることが難しくなります。そこで大事なのが、「クールヘッド、ウォームハート」という考え方です。
これは、イギリスの経済学者アルフレッド・マーシャル氏が語った言葉で、「冷静な頭脳と温かい心」を意味します。感情に寄り添いながらも、自分の頭は冷静に保ち、次の質問へつなげることで、相手の話をより深く引き出していきます。
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