一歩先行く「留学しやすい大学」はどこだ? 学校によってこんなにも違う!
00年以降、根強い人気の「国際教養系学部」も留学支援制度を整えていることが多い。すでに100大学以上で開設されていて支援の度合いに差があるが、大学通信の情報調査・編集部ゼネラルマネージャー、安田賢治さんは、見極め方をこうアドバイスする。
「留学先できちんと単位を取るために、日本にいる間に一定以上、英語の点数を上げてくれる態勢があるか、資金援助があるか、帰ってきてからのフォローはどうかなど、入学説明会などで面倒見のよさを確認してみるといい」
もう一つ、文部科学省が14年に採択した「スーパーグローバル大学」(SGU)37校も、「留学しやすい」大学だ。グローバル人材育成のために、1大学につき年額3億~5億円が10年間にわたり拠出されていて、留学希望者への資金援助が充実。
たとえば、SGUのひとつである法政大学は、すべての授業を英語で行うグローバル教養学部(GIS)を08年に開設した。留学は必須ではないが、独自の留学プログラムに参加する場合、すべての学生に奨学金を支給している。留学中も法政大学に学費を支払う必要があるが、この部分を奨学金で相殺できる。
日本で教養を学んだのち、海外大学院でさらに専門分野を追究するという学生も少なくないため、12年度入学者からは3年間でGISを卒業できる「早期卒業制度」も導入された。この春には、2人がこの制度を利用して、日本での学費負担を減らしつつ、同学年の現地学生と足並みをそろえて欧米の大学院に入学している。
ワンストップ窓口も
同じくSGUの早稲田大学は世界81カ国・地域の389大学と交換留学協定を結んでいる。14年度は3303人の学生が海外留学し、そのうち2968人が協定校への派遣留学。22年度までには全学生が在学中に1回は留学することを目標にするなど、全学で留学を後押ししている。
14年にはキャンパス内の留学に関するワンストップ窓口「Waseda Global Gate」もリニューアルした。
とりわけ力を入れているのは、4年間で早稲田と留学先大学の学位を共に取得できる「ダブルディグリープログラム」。ダブル・ディグリー制度を取り入れる多くの大学の留学先が数校に限られる中、早稲田は北京大学、シンガポール国立大学をはじめとする6大学・大学連盟から留学先を選ぶことができる。