いよいよ最終日を迎える大阪万博。完全予約制の高いハードルが出足を鈍らせるも会期中に改善、パビリオン側も独自の工夫を重ねた結果
しかし、これも理想通りに運用できたとは思えない。結局、ネットでの予約となるとITに強い人や余剰時間が多い人が有利となり、人気パビリオンでは空き枠が出ることは少なく、出たとしても予約可能になると同時にすぐに埋まってしまった。
また昨今ではルールには従っているが運営側が想定していない手段をとる人も少なくない(そうした想定外をつくための知恵もインターネット上で頻繁に議論、交換されやりやすくなっている)。
ネット操作が苦手な人は不利な予約方法
先ほど触れた一人で通期パスを複数枚購入している人たちも、まさにそうした行為の1つだ。パビリオン入場の抽選をするには万博に入場するためのチケットが必要ということは、裏を返せばチケットを複数枚持っていればその分、抽選で当たる確率を上げることができる。
万博に連日来場する予約を行い2枚または3枚のチケットで予約の取りにくい人気パビリオンの予約をし続け、抽選に当たったら、当選チケットを使って入場する、という方法で人気パビリオンを攻略する方法が編み出され実践する人が登場し始めた(万博ID1つに対して通期パスは1つしか買えないので、万博IDを変えるなどの工夫が必要)。
普通の人よりも多くのお金を支払っているのだし、いいではないかと思える部分がある一方で、何か釈然としない部分もある。
今回の万博ではオールジェンダートイレが広く導入されたほか、車いす、歩行補助器具、杖や高齢者用イヤホン(軟骨伝導集音器)、車いす用レインウェア、補助犬用レインウェアの貸し出しを行ったり、発達障がい、知的障がい、精神障がい、認知症の方などが、音や光をさえぎって落ち着きを取り戻せるカームダウン・クールダウンルームが用意されたり、日本語以外の言語を話す人向けの13言語を音声認識し翻訳表示する透明ディスプレイが活用されるなど、あらゆる人に配慮する様子がうかがえた。
当然、ネット操作が苦手な人のために会場での当日券の販売や、パビリオンの当日予約を支援する「パビリオン・イベント当日登録センター」なども設置されたが、ネット操作が得意でITに精通した人が際立って有利になる状況が度々あった。
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