「もっと自分で考えろ」と言うだけ上司の無責任 外資系マネジャーが実践してきた、部下の「考える力」の磨き方

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とはいえ、できれば1つ上の立場で考えることができるようになってもらいたいものです。そのためのトレーニングが、「なぜ、私はこう考えたのか?」による上司の判断の疑似体験なのです。

大谷翔平選手も重視する再現性のある能力の向上

部下に対する2つの問いかけは、思考プロセスを学習することによる、再現性のある思考力の獲得です。アメリカ・メジャーリーグのスーパースター大谷翔平選手も、再現性のある能力の向上に注力しています。彼はインタビューの場で次のように語っています。

「スイングに関しては基本的なことができているかどうかが一番なんです。(中略)正しく構えて、タイミングを合わせて、イメージ通りの軌道でスイングすれば、ヒットやホームランを打てる可能性は限りなく広がります」「ファンのみなさんは、数字にこだわると思いますが、プレーヤーとしては感覚にこだわっていかないと、長いスパンで見たときの数字が残らないんです」(『Sports Graphic Number 1111号』2025年1月16日、文藝春秋)。

大谷選手も結果オーライを許さず、結果につながるためのプロセスや感覚を大切にすることで、再現性のある能力を向上させようとしているのです。

「なぜ、あなたはそう考えたのか?」で、部下の仕事の判断根拠の質を高める。「なぜ、私はこう考えたのか?」で、1つ上の立場での(高い視座と広い視野での)判断力の疑似体験をする。この2つの問いかけが、部下の考える力を強化する助けとなります。

櫻田 毅 アークス&コーチング代表

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さくらだ・たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。著著に『管理職1年目の教科書』『新 管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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