
石川島灯台(写真:kepporu / PIXTA)
NHK大河ドラマ「べらぼう」では、江戸のメディア王・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を中心にして江戸時代中期に活躍した人物や、蔦重が手がけた出版物にスポットライトがあたっている。もはや権勢を誇った元老中の田沼意次は亡くなり、いよいよ松平定信が老中首座として「寛政の改革」に乗り出すことになった。連載「江戸のプロデューサー蔦屋重三郎と町人文化の担い手たち」の第40回は、火付盗賊改の長谷川宣以が創設に尽力した「人足寄場」について解説する。
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大河ドラマをきっかけに再評価されそうな松平定信
改革を推進した老中同士ということで、何かと田沼意次と比較されるからだろう。松平定信は「とにかくマジメで融通が利かない人物」として描かれがちだ。
だが、NHK大河ドラマ「べらぼう」では、定信の意外な素顔を前面に出しており、今後のイメージが変わるかもしれない。ドラマでは黄表紙オタクの面が描かれたが、実際の定信も文学を好み、絵画を愛した文化人としての一面もあった。
そして、政策面においても、田沼意次の何もかもを否定したわけではなかった。経済政策のように引き続き継続しているものもあれば、意次のもとでうまくいかなかった政策に挑んだりもしている。それが「無宿人の対策」であり、キーマンとなったのは、長谷川平蔵宣以(はせがわ へいぞう のぶため)である。
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